日本のトレスマシンとは? わかりやすく解説

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日本のトレスマシン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 00:09 UTC 版)

トレスマシン」の記事における「日本のトレスマシン」の解説

1962年日本で『101匹わんちゃん』が公開される。ちょうど1962年日本富士ゼロックス設立されたため、『101匹わんちゃん』を見た東映動画がさっそくゼロックス導入する日本のアニメトレスマシン初め使われたのが1963年放映の『狼少年 ケン第1話である。以後日本のアニメトレスマシンがしばしば使われるようになった東映動画ではゼロックス独自に改造したシステム使用しており、『タイガーマスク』(1969年)ではこれが存分に生かされた。 しかし、ゼロックスシステム大掛かり維持費がかかりすぎる、と言う問題があった。そのため東映動画は、東映動画絵コンテ印刷機納入していた株式会社城西デュプロ(後のデュプロ・システム)に、もっと簡易なトレスマシン制作依頼するデュプロ1967年トレスマシン「R-631型」を完成させた。これが初め使われたのが1968年放映の『サスケ』(TSJ、現・エイケン)で、ゼロックス比べて線がかすれるなど品質にやや問題があったが、それがかえって、当時流行であった劇画荒々しいタッチ描線としてセル転写できることから、1969年以降アニメではマシントレスの使用一般的となった東映動画自身は、既にゼロックス導入していることからデュプロトレスマシン導入がやや遅れ、1968年放映の『魔法使い サリー』からとなったデュプロトレスマシンは、ゼロックスゼログラフィ方式とは違い鉛筆、つまり黒鉛カーボン紙反応させてコピーする熱転写方式機械である。「キャリアと言うの上に、線画描かれた紙を置き、その上にカーボン紙敷きセルその上に載せる。これをトレスマシンローラー一気に通すと、マシンの熱で線画の黒い所が加熱され、その熱でカーボン紙カーボンセル転写され、絵がセル転写され出てくる。ゼロックスだとセルの表に線画トレスされるのに対してデュプロトレスマシンセルの裏線画トレスされる。アニメの色はセルの裏から塗るので、デュプロトレスマシンだとトレスの線が「堤防となって色がはみ出ないで済むので、アニメーター好評だった。色鉛筆ボールペントレスマシン反応しないので、影は色鉛筆で、影指定線はボールペンで書くのが多かったデュプロトレスマシンは、1977年には後継機となるTR-77S、1988年にはTR-88Sが発売された。デュプロトレスマシン150社以上の製作会社において採用され1990年代まで日本のほぼすべてのアニメ作品使われた。 しかし1990年代に入ると、アニメCG作るようになり、トレスマシン次第使われなくなった東映動画1996年デジタルアニメ制作ソフト「RETAS! PRO」を導入スタジオジブリ1997年公開の『もののけ姫』でデジタルアニメ制作ソフト「Toonz」を導入2021年現在でもアナログとデジタル併用しているスタジオは多いが、普通はセル使わずスキャナスキャンしてデジタル化して合成するため、トレスマシンはほとんど使われていない一方でスタジオジブリでは背景画撮影為に撮影台を使ってデジカメ撮影してデジタル化しており、「ハーモニー処理」(セル画キャラ背景のようなタッチ加えて背景馴染ませるテクニック)の為に2021年2月現在でもトレスマシン現役使われている。ただしすでに生産されておらず、補修部品もないため、2021年5月スタジオジブリ使われていたトレスマシン「TR-88S」が故障し退役した

※この「日本のトレスマシン」の解説は、「トレスマシン」の解説の一部です。
「日本のトレスマシン」を含む「トレスマシン」の記事については、「トレスマシン」の概要を参照ください。

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