日本での接種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 03:40 UTC 版)
1949年(昭和24年)から、ジフテリアトキソイドの予防接種が行われ、1958年(昭和33年)からは、百日咳を加えた二種混合ワクチン (DP)、1964年(昭和39年)からは一部自治体で、1968年(昭和43年)からは全国で、破傷風トキソイドを加えた三種混合ワクチン (DPT) が使用された(D:ジフテリア、P:百日咳、T:破傷風)。 しかし、1975年(昭和50年)2月1日、厚生省によりDPTワクチン接種の中止が指示された。これは、百日咳成分による脳症などの重篤な副反応発生事故の問題が理由である。その後、1981年(昭和56年)に、改良型の沈降精製DPTワクチンの使用が開始されるまで、ワクチン接種率は著しく低下し、保健所管轄ごとにDTやDPワクチンの接種を行う、少数ながらDTPワクチン接種を再開するなど、対応が分かれた。 1994年(平成6年)10月、予防接種法が改正され、定期接種として3か月から90か月未満でDPTワクチン4回、11歳から12歳にDTワクチン1回の接種が行われるようになった。 2012年(平成24年)11月1日から、定期予防接種に四種混合ワクチンが導入され、三種混合ワクチン未接種かつポリオワクチン未接種の場合には、原則として四種混合ワクチンを接種することになった。三種混合 (DPT) に不活化ポリオワクチン (inactivated polio vaccine) を加えたため、DPT-IPVと表記される。DPT-IPVワクチンを、生後3か月以降に3週から8週間隔で3回、3回目の約1年後(6か月後から接種可能)に4回目を接種し、11歳からDTワクチンを1回接種する。制度導入当初は、ワクチンの供給量が不足するため、移行措置として、三種混合ワクチンと単独の不活化ポリオワクチンを選択することも可能だった。 2000年以降の百日咳の流行と成人に対する追加免疫の必要性から、2016年2月、トリビックが製造販売承認事項一部変更承認を受け、2018年1月29日から販売を再開した。トリビックの有効成分量は、同社の四種混合ワクチンテトラビックから不活化ポリオを抜いた値となっている。これにより、Boostrixなどの輸入Tdapを用いていた成人に対する追加接種を、医薬品副作用被害救済制度の給付対象である国内ワクチンで行えるようになった。
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