議論されている副反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)
「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「議論されている副反応」の解説
厚生労働省によると、HPVワクチン接種後、医療機関から報告された発熱やアナフィラキシーショックなどの副反応疑いが、2010年11月-2013年3月に計1,196件あり、うち106件は障害が残る重篤なケースだった。重篤な障害が発生したケースでは、接種当日から局所反応・強い疼痛等のため入院となり、接種64日たって夜間就寝時に手足をばたつかせる痙攣のような動きが出現(脳波、SPECT等で睡眠時の行動ではなく覚醒時に生じていると診断)し、接種81日後には計算障害を起こしたとする例が報告された。 日本で接種による副反応疑いの報告頻度は、100万接種あたりサーバリックスで170人超、ガーダシルで同150人と、他のワクチンでも報告の多い麻疹ワクチンの同50人を上回る。痙攣、意識障害めまい、内分泌異常、疲労、麻痺、筋力低下、などなど多彩な症状が複合的に長期にわたる症状が見られ、国外の報告と共通している。日本では、1年以上歩行困難となった事例、また日本の別の少女らでは、身体の痛み、脱力感、寝たきりになる例、一時的な記憶障害を繰り返すようになったといった報道がされた。 医薬品承認以前の5700人超のランダム化比較試験において、2価ワクチンを接種した群は、アルミニウムの偽薬を摂取した群より死亡が多く、また各7000人の比較では4価ワクチンより、9価ワクチンの方が重篤な全身症状を示した数が多かったが、ワクチン関連であるとされておらず、市販後の重篤な症例にもこれらの重篤な有害事象と同様のものがみられるとの報告がある。 2017年の取りまとめでは、日本での接種回数のうち0.03%にそのような症状があったが、約90%が回復または軽快して治療が不要となり、症状が回復しなかったのは、186人(のべ接種回数の0.002%)であった。つまり、10万回接種された中で、2人だけ回復しない症状の発現がみられる頻度であった。
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