議論と反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/11 02:07 UTC 版)
2007年にアバンディアが心発作リスクを増大させるという報告が発表されて以来、アバンディアは論争の的となって来た。2010年にはTime誌が、アバンディアはFDAという行政機関が破綻しており「致命的かつ犯罪的」である証だ、と評した。その記事は情報公開の失敗に触れ、「議会報告書は、GSKは早期に心リスクを知っており、FDAも公表の数ヶ月前にそれを知っていた。」とした。その報告は、「FDAは、GSKがアバンディアの心リスクを周知しなかった事で法を犯したかどうか調査している。」としている。GSKは副作用を報告してきた医師を脅迫し、市場を欺き、臨床報告を怠った事でFDAからいくつもの警告書を受け取っていたとした。グラクソ・スミスクラインはアバンディアに関する論争により深刻なダメージを自ら被った。 2010年の心リスク増大の報告を受けて、インド政府はGSKにTIDE試験の中止を命じた。 FDAも米国内でのTIDE試験中止を指示した。 内分泌学会、米国糖尿病協会、米国臨床内分泌学会の3つの医師団体は、リスクがあったとしても治療を放棄するよりは良いとして患者に対してアバンディアの服用を続けるよう声明を出したが、患者あるいは担当医師は、副作用を懸念して他薬に切り替え始めた。 米国心臓協会は2010年6月に以下の様な声明を出している。『報告書を深刻に受け止め、ロシグリタゾンを服用中の65歳以上の糖尿病患者は処方医と相談すべきである。』『糖尿病患者にとって最悪の転帰は心臓疾患または脳卒中であり、糖尿病である事でそのリスクは著しく増大する。ほとんどの場合、患者は主治医の同意なく治療を変更・中止してはならない。』
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