新シリーズ構想
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「グランプリ・マニュファクチャラーズ・アソシエーション」の記事における「新シリーズ構想」の解説
GPMAの目的はGPWCと変わらず、F1の統括団体である国際自動車連盟 (FIA) に対する発言力の強化、ならびに、F1の商業権保有者(FOM)とコンコルド協定の更改について交渉することにあった。自動車メーカー側の意見が受け入れられない場合は、コンコルド協定の期限切れとなる2007年末をもってF1世界選手権から離脱し、2008年より新シリーズを立ち上げるという構えをみせた。 FIAのマックス・モズレー会長は、自動車メーカー間の開発競争がコスト高騰を招き、プライベートチームの存続を危うくしていると主張し、エンジンの開発制限、車体主要部品の共通化、テスト距離制限などのレギュレーション変更案を相次いで打ち出した。これに対し、GPMAは技術革新にこそF1に参戦する意義があるとして規制に反対し、プライベーターへはエンジン価格の助成措置をとるとした。 興行面では、コンコルド協定が定める収益分配率が不公平であるとして、競技者(チーム)への配当を増額するよう要求した。また、F1の商業権を預かるSLECの株式の大半が投資銀行3社(バイエルンLB、JPモルガン、リーマン・ブラザーズ)によって管理されている状況を問題視した。 当初、GPMA側9チームは「全チーム同等な条件」で交渉に臨むことを確認していたが、自動車メーカーの後ろ盾がないプライベーターは個々に切り崩されていった。2006年よりフェラーリエンジンを使用するレッドブル、ジョーダン改めミッドランド、ミナルディ改めトロ・ロッソ(レッドブル傘下)、BMWエンジンを失うウィリアムズ、2006年から参戦するスーパーアグリがコンコルド協定更改に同意し、勢力図は体制側有利に塗り替えられた。 また、2005年11月から2006年3月にかけて、イギリスの大手プライベート・エクイティ・ファンドであるCVCキャピタル・パートナーズがSLECの全株式を取得し、バーニー・エクレストンを最高責任者に指名したことから、興行面の安定という課題が解消された。 さらに、FIAは2008年シーズンのエントリー申請を大幅に前倒しして、期限を2006年3月31日に設定した。このエントリーには11もの新チームが参入を希望し、さらに、FIAはエントリーが遅れたチームを新レギュレーションの作成部会に加えないと宣言して、GPMA側5チームへ圧力をかけた。同年3月27日、GPMA側5チームはエントリーを申請したことを発表し、同年4月28日には既存11チームとプロドライブの2008年シーズンエントリーが承認され、シリーズ分裂は回避された。 同年5月には、GPMA側5チームがコンコルド協定の覚書にサインしたことが発表された。
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