文書管理とコミュニケーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/23 12:59 UTC 版)
「文書管理システム」の記事における「文書管理とコミュニケーション」の解説
Carzaniga と Wolf(2001年)の論文“Content-based networking: a new communication infrastructure”において、電子文書管理について考察している。そこで、コミュニケーション基盤としてのコンテンツベースのネットワークが提案されている。ユーザーは関心のあることを表明し、それをネットワークにメッセージとして入力する。そして、ネットワークが適切な人々に適切な情報を配信する。Sprague(1995年)では、より詳細な文書管理方式が提案されており、それを電子文書管理(electric document management、EDM)と称した。彼の定義によれば、文書管理とは「組織の目的に適った文書の生成/格納/構成/転送/検索/操作/更新/廃棄」(pp.32)であり、EDM によって人々のコミュニケーションが改善されるとした(pp 42-43)。 EDMとコミュニケーションの関係については他にも例がある。Hansen と Haas(2001年)は、電子文書について情報提供者と情報利用者の役割の観点を論じている。また、Thorpe と Mead(2000年)でもEDMとコミュニケーションの明確な関係を研究している。彼らは、EDMシステムがコミュニケーションのパターンを変革することを示した。彼らが研究した3つのプロジェクトでは、そのうちの2つがEDMを中心としていた(残る1つは3カ月で中止となった)。Howard と Pettersen(2001年)の研究対象となったあるプロジェクトでは、コミュニケーション手段としてEDMを三番目の手段としていた(上位手段は電話と会議、下位手段は電子メール、紙の文書、ファックスなど)。Rene Brohm(2005年)は学位論文でシアターモデルを提案した。シアターモデルとは、文書管理システムを劇場のステージに対比させて説明するものである。すなわち、ステージ上の演劇での相互作用と文書管理システムの機能の類似性を論じている。 Marin と Poulter(2004年)によれば、全てのデータや情報が集中型のデータベース(あるいはイントラネット)に置かれ、それを組織の全員が使う場合、ITと情報配布に明確な関係が生じる。彼らは、情報へのアクセスが容易であればあるほど、組織内に流通する情報量が増えるとした。 このコミュニケーション・ツールを改良する別の方法もある。Hansen と Haas(2001年)はEDMを競争のある市場に見立てた。それによると、情報提供者は情報共有の戦略を持つべきであり、ユーザー(従業員)にシステムを使わせる戦略も必要であるとした。 Yan と Garcia-Molina(1999年 pp.2)が提案した方法は、人々が必要な(興味のある)情報を表すクエリ群を含んだ長期的プロファイルを提示するというものである。これにより、得られる情報の質が向上するとした。つまり、事前に明らかになっているプロファイルに基づいて、情報が配布されるのである。それによって検索時間やコストが削減される。
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