数学的な問題の例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/17 08:17 UTC 版)
「カンタベリー・パズル」の記事における「数学的な問題の例」の解説
第1問「家扶のパズル」The Reve's Puzzle 4つの台を用いて、8個の大小のチーズの塊を移動させるパズル。ハノイの塔において棒を4本にしたものに相当する。解答では、最小の手数を導く一般法則が証明なしに紹介されているが、それより少ない手数で不可能であることは、厳密には未だ証明されていない。 第20問「医者のパズル」The Puzzle of the Doctor of Physic 瓶の体積と関連付けて、x3 + y3 = 9, x < y の (x, y) = (1, 2) 以外の正の有理数解を問う問題。デュードニー自身が注意しているように、この種の問題はフェルマーが研究している。フェルマーの方法に従えば、分母が21桁の解が得られるが、それよりも簡単でかつ最も簡単な解を初めて与えた、としている。なお、本書の第61問「銀のキューブ」では、x3 + y3 = 17 を扱っている。現代的な用語では、これらは楕円曲線の有理点を求める問題であり、係数によっては今なお数学的に難しい部分を有する。 第26問「小間物行商人のパズル」The Haberdasher's Puzzle 正三角形を4つの断片に分け、裏返すことなく組み合わせて正方形を作れ、という問題。デュードニーのパズルの中でも特に有名である。本の出版以前の1905年2月8日付けのデイリー・メイル紙に問題が掲載され、数百の解答が寄せられたが、正解は皆無であった。デュードニーは、1905年5月17日に王立協会で「重ね合わせに関する新たな問題」と題して発表を行い、マホガニーの板を真鍮の蝶番でつないだもので正三角形から正方形への変形を実演してみせた。数学的には、ボヤイとゲルヴィンの等積多角形の分割合同の定理が背景にある。 第46問「十字軍戦士のパズル」The Riddle of the Crusaders ひとつの正方形の隊列に新たに1人加わったため、隊列を組みかえて 113 の正方形ができたとすると、戦士は何人だったか、という問題。これはペル方程式 x2 − 113 y2 = − 1 の自然数解を問うていることに相当する。解答では最小解のみ与えているが、それでも相当な大軍隊である。 第47問「セント・エドモンズベリーのパズル」The Riddle of St. Edmondsbury 猫が鼠を退治する話であるが、要は 1111111(1を7つ並べた数)を素因数分解せよ、という問題。1 を並べた数は、今日レピュニットと呼ばれる。本書の序文における「1を19個並べた数の真の因数はひとつも知られていない」という解説を読んだ読者が、1918年にそれが素数であることを証明してロンドン数学会会報に発表した。レピュニット素数が無数に存在するかどうかは未解決問題である。
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