政権側の対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/06 23:20 UTC 版)
「2013年トルコ反政府運動」の記事における「政権側の対応」の解説
一地域の再開発計画に対する反対運動の矛先を向けられる形となったエルドアン首相は、当初から抗議運動に対し強い姿勢で臨むことを強調し、参加者を「過激派」「野蛮人」呼ばわりした。5月31日には政府の方針に対する抗議は法と民主主義の範囲内で行うべきとして暴力的手段による抗議を非難、即時停止を呼びかけた。6月1日には、催涙ガスの使用など機動隊の一連の対処方法には問題があったことを認めたものの、裁判所による開発計画の一時凍結も無視し、計画を継続することも合わせて発表。むしろタクスィム広場にある公会堂を取り壊して宗教施設であるモスクを建設すると宣言した。 また、一連の反政府運動は共和人民党が扇動したものであると決めつけたものの、実際には幅広い政治層がデモに参加していた。エルドアンだけでなく、イスタンブール市長のカディル・トプバシュは、一連の反政府デモには本来の純粋な再開発計画反対が目的の参加者もいるが、政治的な意図を持つ者たちに操られていると主張してきた。 政権打倒を目指すデモをアラブの春になぞらえて「トルコの春」と呼ぶ動きに対しては、エルドアンは自らが複数政党下で民主的に選ばれているとして、これに反論。むしろ政治・経済改革を体現する自らが「トルコの春」であり、デモは民衆の支持を得ていないと主張した。予定されていた北アフリカ諸国訪問も予定通り行われた。 収まらない反政府運動に対し、6月4日になってビュレント・アルンチ(英語版)副首相がデモの初動対応が不適切であったことを認め、負傷したデモの参加者に対する陳謝を表明。初期の抗議グループとの会談を表明したほか、国民の声を無視するつもりはないとも発言したが、デモの沈静化にはつながらなかった。 同5日、副首相がデモの代表者と面会したが、デモは沈静化の様子を見せていない。 同7日、エルドアンはデモに一定の理解を示したが、強硬姿勢は崩さなかった。デモは長期化すると思われる 同14日、エルドアンはデモ隊と対話を行い、公園再開発の一時棚上げを表明した。デモ隊はそれを基にデモを続行するか検討したが、デモ隊の中心組織「タクシム連帯」は公園からの退去を拒否し、「公園に居続ける」「あらゆる不公正に反対する」との声明を出した。
※この「政権側の対応」の解説は、「2013年トルコ反政府運動」の解説の一部です。
「政権側の対応」を含む「2013年トルコ反政府運動」の記事については、「2013年トルコ反政府運動」の概要を参照ください。
- 政権側の対応のページへのリンク