放送会社関係者の犠牲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 11:54 UTC 版)
「2022年ロシアのウクライナ侵攻」の記事における「放送会社関係者の犠牲」の解説
3月1日、ウクライナのテレビ局LIVEの撮影技師エウヘン・サクンは、キエフテレビ塔をロシア軍が砲撃した際の5人の犠牲者の内の一人だった。サクンはロシアのウクライナへの侵攻のニュースを担当しており、遺体は携帯していた記者証によって確認された。 3月13日、ウクライナ内務省によると、「ピーボディ賞」受賞歴があるアメリカのジャーナリストでドキュメンタリー映画監督のブレント・ルノーが、爆撃が激化していたキエフ郊外のイルピンで避難する難民を取材中に射殺された。過去には米紙『ニューヨーク・タイムズ』に寄稿していたことから、同紙の記者ではないかと情報が錯綜したが、同紙は取材を依頼しておらず、死亡時に携帯していた取材証はやはり過去に寄稿していたイギリス紙『タイムズ』のものだったが、同紙も今回は取材を依頼していなかった。その後、アメリカ雑誌『タイム』が同社の映像作成部門であるタイム・スタジオズの企画で取材を行っていたことを表明した。同行していた赤十字国際委員会の「人道ビザドール賞」受賞歴があるフォトジャーナリストのホアン・アレドンドも銃撃を受けたが生き延び、検問所を通過したところで車中で銃撃にあった事を証言した。 3月15日、FOXニュースは、ウクライナで取材中だった同社のカメラマン、ピエール・ザクシェフスキ(英語版)とウクライナ人女性記者のオレクサンドラ・クブシノワが死亡したと伝えた。14日にキエフ郊外のホレンカで車に乗っていたところ銃撃を受けたという。一緒にいた同社のジャーナリスト、ベンジャミン・ホールは片脚の半分、もう一方の脚の足首から下、そして片目を失う重傷を負った。アメリカの非営利組織「ジャーナリスト保護委員会」によれば、ウクライナ人のビクトル・ドゥダルとも取材中に死亡したという。 3月23日、ロシアの調査報道サイト「インサイダー」は、同サイトのオクサナ・バウリナが、キエフ近郊の地区を取材中にロケット弾の攻撃を受け、死亡したと伝えた。バウリナは以前、アレクセイ・ナワリヌイが運営する「反汚職闘争基金」で働いていたことがあり、ロシアを離れていた。 4月3日、ウクライナ国防省は、マリウポリでロシア軍の包囲下を記録していたリトアニアの映画監督マンタス・クベダラビチュスが、ロシア軍の攻撃で死亡したと発表した。 4月16日、ウクライナ最高会議はウクライナで死亡したジャーナリストら21人のリストを公表した。 4月28日、キエフ訪問中の国連事務総長アントニオ・グテーレスがゼレンスキーと面会した直後に起こったロシア軍によるキエフへの複数発のミサイル攻撃で、そのうち一発が集合民間住宅の低層階を直撃し、そこに在住していたラジオ・リバティー所属ジャーナリストのヴィラ・ヒリチュが翌日瓦礫の中から遺体で発見された。ロシア国防省は、長距離高精度ミサイルでロケットと宇宙開発関連の製造工場を攻撃したと主張しており、民間施設は攻撃していないとしている。 5月30日、セベロドネツク近郊でフランスのニュース専門局BFM TVの記者フレデリック・ルクレールイモフが死亡した。 ルガンスク州軍政代表者のセルヒ・ハイダイは「それが空から投下された爆弾なのか、大きな砲弾なのかはわからないが、破片が防弾ガラスを貫通してフランス人記者が死亡した。彼はヘルメットと防弾チョッキを着用していたが、破片は首にあたった」と述べた。
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