搬送波周波数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 23:08 UTC 版)
GLONASS衛星は、上記の標準精度信号と高精度信号、それに航法メッセージといった情報にBPSK変調が加えられ、2010年現在はFDMA(周波数分割多重)方式によって、L1からL3までの3つの異なる周波数の搬送波で送信されている。それぞれの搬送波バンドは、12チャンネル(+技術用途に2チャンネル)に分割使用され、最大24基の衛星が地上から見て常に異なる周波数を受信できるようになっている。 L1バンド L1バンドと呼ばれる1602.5625MHzを中心とする周波数帯を使っており、中心周波数を計算する式は、kを-7から+6までの各衛星の周波数チャンネル番号とした時、1602 MHz + k × 0.5625 MHzとなっている。信号は38度の円錐状に右旋偏波(right-hand circular polarization)で、等価等方放射電力(EIRP: Equivalent Isotropically Radiated Power)25 - 27dBW(316 - 500W)で送信されている。 最大効率の時に4つの衛星からの標準精度の信号を同時に受信することで、水平位置で57 - 70m、垂直位置で70m、速度ベクトルで15cm/s、時刻伝送は1マイクロ秒の精度を得ることができる。意図的に標準精度信号の精度を落とすSA(Selective Availability) は2010年3月現在まで行われていない。 L2バンド L2バンドでは1246.000MHzを中心とする周波数帯を使っており、それぞれの中心周波数は1246 MHz + k × 0.4375 MHzで与えられる。 L3バンド L3バンドでは1204.7040MHzを中心とする周波数帯も 1204.7040 MHz + k × 0.4230 MHzで与えられる周波数が使用されている。2009年のグロナスK衛星から導入されたこのL3バンドには、今後、完全性 (Integrity) 情報、ディファレンシャル補正情報、時刻補正情報を含めるように計画されており、将来はL3バンドの内容が大きく変更される可能性があると公表されている。 L1とL2のバンドでは、SPコードに0.511McpsのBPSK変調が加えられるためにチャンネルごとのメインローブによるバンド幅は1.022MHzとなり、HPコードには5.11McpsのBPSK変調が加えられるためにチャンネルごとのバンド幅は10.22MHzとなる。L3バンドはSPコードとHPコードの両方とも4.095McpsのBPSK変調が加えられるためにバンド幅は8.190MHzである。SPコードのキャリア周波数の間隔が0.4230MHzや0.5625MHzであるため互いに重なり合い、干渉を受けやすい。隣接するSPコードの相互相関は-48dB以下である。L1とL2の両バンドのデータビット率は50sps/bpsである。L3のデータビット率は不明である。
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