弱肉強食特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 21:25 UTC 版)
FMは、単に発振器の周波数を変化させるだけなので、送信電力の変動がない。つまり、常に最大電力であり電力が弱くなる瞬間がない。また、受信はAGCを使わないでリミッタで飽和増幅するため、振幅成分は完全に失われる。これらの理由により、同一の搬送波周波数の強い信号を受信した場合、弱い信号は強い信号によって隠されてしまう(マスキング)ため、存在が確認できなくなる。これを弱肉強食特性と言う(一般にFMが多用されるVHF帯であるが、地上の航空管制官と上空の飛行機との間で通信する航空無線が「あえて振幅変調を使っている」のは、この特性により、無線通信が不可能になるのを防ぐためである)。技術者やアマチュア無線家の間で一般に広く使われている専門用語(ジャーゴン)である。 一般の無線通信では、通信中に被ってくる弱い信号は「有害な混信」と見なされるので、完全に排除できることが望ましい。FM受信機では、コチャンネル特性(英語: cochannel selectivity:同一チャネル選択度)という指標で排除能力を示す。
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