技能実習生への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:02 UTC 版)
2020年末時点では全国に約38万人の技能実習生が在留している。ベトナムなど14カ国では送り出し機関は認可制だが、中国では認可が必要なく、多額の手数料を取る業者が問題となっている。また認可があってもきちんと法律が守られず多額の借金をして来日するケースが多いため職場からの失踪、技能実習生側の弱い立場を利用した人権侵害の温床となっている。日本の監理団体は国の許可制、営利目的でなく各企業に適正な実施を指導する。 法務省集計では2010年 - 2017年に174人が日本で死亡。事故、病気、自殺のほか死亡の経緯が不明の案件もある。技能実習生ら支援に向け厚生労働省と法務省は2017年に認可法人「外国人技能実習機構」を設立。東京本部と全国事務所計14ヶ所で実習生や会社からの相談に応じている。中国語、ベトナム語など9ヵ国語対応。2018年12月までに約2200件の相談が寄せられた。同機構は会社と実習生をつなぐ監理団体の検査や指導も行い、法令違反が認められれば国が業務停止を命じる。 失踪した5,218人に関する調査結果を法務省は公表している。2012年 - 2017年に事故や病気などで実習生171人が死亡。足場からの転落などの事故が28人、レジャーなど実習外の事故死が53人、病死が59人、自殺が17人、殺人や傷害致死による死亡が9人などだった。 技能実習制度には転職の自由が無い、割増賃金の不払いや賃金が最低賃金を下回るなど賃金不払い、保証金の支払い、住環境の不備や高額な家賃や家具家電レンタル料、人権蹂躙が絶えず、過労死を疑われる突然死や失踪も相次いでいる。 技能実習生(1号)の行方不明者は、監理団体・実習実施機関がJITCOに報告する仕組みになっていないので把握できない。現行制度では公益財団法人国際研修協力機構が国の委託事業として巡回指導を実施するが、法的拘束力が無く実効性が無い。
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