戦闘における捜索救難
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/12 22:26 UTC 版)
戦闘捜索救難(英語: Combat Search and Rescue:CSAR)は戦時下において、前線もしくは敵の勢力圏内に不時着した航空機の乗員を捜索し救出することである。例えば米空軍の場合はこの任務には通常、医療資格と空挺資格を持ち、更に選抜され特殊部隊隊員と同等の訓練を経て資格を得た専門の戦闘救難員(パラジャンパー、Para Jumper PJ)が充てられる。これは救助に当たっては天候地形昼夜を問わず一刻を争う状況に対応する為である。また状況に応じて特殊部隊員がこの任に充てられたりサポートする場合も少なくない。不時着した乗員に対する敵方の捜索以前に救出することが求められ、作戦には救出を阻止する敵と交戦する状況も有る。但し殆どの場合は交戦規定により極力戦闘は避け、武力の行使は自衛と救出活動の遂行にやむを得ない場合のみとされる。 戦闘捜索救難任務を行う航空機にはヘリコプターが主に用いられるが、各種固定翼機の支援を受ける事が普通である。救難ヘリコプターは全天候かつ昼夜地形を問わず任務を遂行する事が要求される為、夜間暗視装置や赤外線探知装置、地形追従レーダー等が装備されるなど夜間や低空における飛行能力を強化しているほか、空中給油能力を備えるものもある。 日本では航空自衛隊の航空救難団救難隊がその役割を担っている。航空自衛隊の航空救難員は相応の訓練を受けているものの米空軍のPJレベルではない。 2019年10月より海上自衛隊でも航空救難隊から選抜で戦闘救難員相当の育成が始まっており近い将来、救難隊の組織改編が行われる予定である。 戦闘捜索救難に使われている、又は使われていた西側の主な航空機は以下のとおりである: HH-3E ジョリー・グリーン・ジャイアント HH-53B/C スーパー・ジョリー・グリーン・ジャイアント HH-60 ペイブ・ホーク CH-47 チヌーク ユーロコプター AS 532 UH-60J ブラックホーク(航空自衛隊仕様) 1967年、戦闘捜索救難の任務中のHH-53C スーパー・ジョリー・グリーン・ジャイアント HH-3E ジョリー・グリーン・ジャイアントの機内からミニガンを用いてランデブーポイント付近の敵掃討を行うクルー 担架に乗った兵士に応急処置を施すアメリカ空軍のパラジャンパー 負傷者を乗せた担架と共にウインチで上昇するパラジャンパー UH-60Jによる負傷者救助の訓練 負傷者を救助し救難機に収容する際の様子
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