思考的特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 08:05 UTC 版)
本能 幼生パラサイトは、「人間の脳を奪って寄生する」という本能により行動する。続けて、寄生生物が肉体を奪うことに成功した際に発せられる本能(田宮によると「命令」)は、「この種を食い殺せ」つまり、共食いにより人間の数を減らすことだとされる。寄生生物の行動パターン原理の大半はこれに従って形造られている。 基本的な思考パターン 性格には個体差はあるが、基本的には思考パターンが人間とは全く異なる。そのため、人間の感情を理解することも無く自己中心的で冷酷である。生存本能が強く、自分の生存を守るためならたとえ同種であっても他者を殺すことをためらわない。 ミギーやジョー、あるいは擬態を解いている時のパラサイトはしばしば豊かな表情を見せるものの、パラサイトの表情は本質的には人間と異質であり、人間に擬態している時にはたいてい無表情である。基本的にパラサイトには喜怒哀楽などの感情は極めて少なく、人間の表情を研究して真似ようとしている個体(三木)も登場しているものの、その表情は無表情以上に人間味のないものとして演出されており、人間味のある表情を作ることは難しいようである。ただし、知能が高く経験を積んだ個体である田宮玲子は、劇中で人間的な「笑い」を自覚しており、また草野が人間のような「怒り」の表情を自然に発現させていることを指摘している。ちなみに島田はその無表情な顔のせいで、同じクラスの裕子から密かに「能面男」と呼ばれていた。 知性は非常に高く、テレビや本などを通してほんのわずかな時間で人間の言語を習得している。 登場時のパラサイトたちは基本的に個人行動しているが、一部のパラサイトたちは田村などを中心に時折集まり、様々なことについて話し合いで方向性を決めるなど徐々に社会的・組織的に活動するようになった。 思考変化、個性 パラサイトの思考や行動は、寄生する宿主の環境や様々な状況から影響を受けて変化し、それが個性となる場合がある。 田宮は脳を奪った当初、宿主の以前の立場をそのまま引き継ぐという珍しいタイプで、その後様々な要因からパラサイトとしての性質・考え方が大きく変化した。 時が経つにつれ、田村のように人間の考え方について勉強しようとしたり、ミギーのように他人のために命を投げ出したりする変化が現れた。また、そうとは知らず「怒り」の感情を抱く草野、あえて普通の人間のように表情を変え欺こうとする三木、さらに田村は宿主の肉体が生んだ子供であるにもかかわらず、人間で言う「母性」を持って、死を覚悟して子供を守っている。 このように感情、もしくはそれに類似する物が発生した個体も存在し、その可能性については未知数なところが多い。後に田村は草野が自身のリンチを決行したことに対し、「徹底して合理的な行動・考え方をするパラサイトは、組織づくりも容易いと思っていたが、見込み違いだった。寄生生物それぞれが個体差――個性を持ったことを喜ばしく思う」と語っている。 名前に無頓着 考え方を表す特徴の一つに「自身の名前に対して無頓着」というものがある。パラサイトたちは「大した意味はないが、便宜上とりあえず名付けた」というような名前のものが多い。劇中では、三木を除いたミギーや後藤など多くのパラサイトが異口同音に「名前なんてどうでもいい」という考えを語っている。 新一がミギーの名前を考えた時に「いらん。私は人間ではないし、ペットでもない」と一度断わっており、便宜上ミギーを名乗るようになった後も名前の必要性を感じていない。また、ジョーのように、しばらくは名無しで通しており、それで十分としていた者もいる。加えて高い知性を持つ田宮良子ですらその傾向が見られ、元の立場を捨てて顔と立場を変えて別人になった後も、名前に無頓着なため元の名前に似た「田村玲子」に改名している。三木はミギーと同じく「右腕→みぎ」という意味に由来しており、ミギーと会った後に「ほんとにみんな呼び名に工夫がない」と気持ちを漏らしている。
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