復帰あるいは廃業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/02/22 06:22 UTC 版)
「芸能界ドラッグ汚染」の記事における「復帰あるいは廃業」の解説
実態として、薬物事犯で検挙された芸能人の多くが、長期の謹慎・活動停止や一時的な廃業を経て「禊を済ませた」という形を取って芸能界への復帰を果たしている。確かに、その後は薬物との関わりを一切断ち、きちんと甦生を果たして地道に活動を続け、事件で失った社会的信用を取り戻して活躍している人物は少なくない。 もっとも、芸能界へ復帰と一口に言っても、実際には薬物不祥事を理由に長期間にわたって放送局・番組スポンサーや他の芸能人・芸能事務所などにより出演・共演を拒否されることも少なくなく、その後の芸能界での活動・メディア露出には長期にわたり事実上大幅な制限がつきまとい続けることになる。その為、どうにか芸能界復帰が叶ったとしても、テレビ(特に地上派放送)への露出や映画(特に日本全国など広く公開されるもの)への出演など芸能界の第一線とされる場への復帰には多大な時間と莫大な労力が必要となる。この様に、真の意味で社会的信用を取り戻し完全復活したといえるまでには幾つもの苦難を乗り越えなければならず、薬物事犯とその背後にいることも多い反社会的勢力への社会の目と社会的制裁がより厳しいものになっている現在ではなおさらに険しい道のりである。 また、薬物事犯による検挙はタレントイメージには大きな瑕疵として長期間付いて回る。この為、復帰が叶ったとしても芸能人としての「商品価値」が暴落する上、薬物事犯は再犯率の高さもあってことさらに警戒されるため、薬物にまつわる不祥事が直接の理由となって芸能界での居場所・仕事・収入を失い事実上の「芸能人廃業」へと追い込まれるケースは少なくない。また、被告として法廷に立たされた芸能人が情状酌量による刑の軽減などを期待して、自ら「芸能界引退」を明言して自主廃業したケースや、特に未成年の場合には親が強制的に廃業させることを明言するケースも見られる。なお、伝統芸能のように昔ながらの徒弟制度によって人材育成を行っている分野では、芸能生命を師匠に当たる人物が握っていることも多く、薬物で逮捕された若手の弟子に対して師匠が破門を宣告し、弟子は芸能人としての拠り所や稽古場所を失い廃業となることが見られる。 違法薬物による逮捕で表舞台から姿を消した元芸能人・元タレントの中には、芸能の世界と縁を切って転職し地道にその仕事を続けている人物も多い。だが、一方で、再犯を繰り返すなどという形でいわゆる薬物中毒者の様相を露呈し、現在では再犯による逮捕や裁判関連の報道でしかマスコミでも名前が聞かれなくなってしまった人物が存在することも事実である。 外国籍の芸能タレントの場合には、違法薬物での有罪判決を理由にビザの延長・更新ができず、日本国内での芸能活動の継続が不可能となり、これで事実上の芸能人廃業となったケースがある。
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