廃線跡・設備の保存・再利用状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 18:54 UTC 版)
「清水港線」の記事における「廃線跡・設備の保存・再利用状況」の解説
清水駅構内の海側、東海道線のホームとは貨物ヤードを挟んで離れた場所にあった清水港線ホームの場所は、貨物ヤード跡地とともに清水テルサ(静岡市東部勤労者福祉センター)となった。その他、駅舎の橋上化と自由通路の整備などもあって、現在の清水駅には清水港線の存在をしのばせる物は残っていない。 旧清水港線敷地の清水寄りの部分は、建設省の中部地方建設局(現・国土交通省中部地方整備局)の支援を受けて臨海部再開発が行われた。清水港駅跡地はエスパルスドリームプラザと清水マリンパーク、清水埠頭駅跡地は浪漫館、巴川口駅跡地は静清浄化センター(下水処理場)として整備された。 清水港駅に設置され、貨車と船の間で木材を直接積み込める機能を持った「テルファークレーン」は、2000年(平成12年)に国の登録有形文化財に登録され、清水マリンパークの敷地内に保存されている。 一方、巴川口駅の清水寄りの巴川に架かっていた巴川可動橋は撤去されている。一時は保存を望む声もあったが、老朽化と船舶の航行の妨げになるため実現しなかった。1890年(明治23年)に完成した巴川可動橋は、全長88.3メートルの昇開橋で、5基の橋桁のうち中央部が昇降するようになっており、通常は橋桁を上昇して船舶を通行させ、列車の通行時には橋桁を下降して列車を通行させるようになっていた。旅客鉄道の可動橋は日本全国でも佐賀線と桜島線とここの3か所であった。 巴川口駅から三保駅にかけては、旧路線跡が自転車・歩行者用道路(静岡県道377号静岡清水自転車道線の一部)として整備されている。折戸駅と三保駅の跡地はそれぞれ公園として整備され、三保駅跡の「三保ふれあい広場」ではかつての鉄道車両や機関車が静態保存されている。また上述のように「フェルケール博物館屋外展示場」にもスハフ42形客車が保存されていたが、老朽化が著しく、2010年(平成22年)6月に解体された。 フェルケール博物館内の常設展示室には清水港線にまつわる資料や模型が展示されている他、併設する缶詰記念館敷地内には腕木式信号機2基と踏切警報機1基が保存されている。
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