帝国主義とレイシズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 10:27 UTC 版)
「ニコライ・プルジェヴァリスキー」の記事における「帝国主義とレイシズム」の解説
デイヴィド・シンメルペンニンク・ファン・デル・オイェの評定によれば、プルジェヴァリスキーの中央アジアに関する著作には彼の東洋への軽蔑、それも特に中華文明に対するものが表れているという。 プルジェヴァリスキーは「平均的なモスクワのコソ泥とユダヤ人」という比喩で明らかに中国人を臆病で汚く怠惰に、全ての点において「ヨーロッパ文明」に劣ると描写した。彼は中華帝国の北方の領土、特に新疆とモンゴルの支配権掌握は希薄で不確実であると主張し、大っぴらに中国領土のロシアによる断片的併合を求めたという。 また彼はアジアを探検するのには「片手にカービン銃、もう片方には鞭」を持つべきであるとも発言した。 スヴェン・ヘディンやフランシス・ヤングハズバンド、オーレル・スタインなどと共にプルジェヴァリスキーは中央アジアをめぐるイギリスとロシアの勢力争い、いわゆるグレート・ゲームの立役者だった。 «Здесь можно проникнуть... с деньгами в кармане, со штуцером в одной руке и с ногайкою в другой... С ними должны идтисюда европейцы и снести, во имя цивилизации, всех этих подонков человеческого рода. Тысячи наших солдат достаточно, чтобы покорить всю Азию от Байкала до Гималая... Здесь можно повторить подвиги Кортеса»(→「ここではあなた方は突き進むことができる…ポケットの中の資金と、片方の手に持ったカービン銃と、もう片方に持ったナガイカ(英語版)(鞭)と共に…それらでもってヨーロッパ人は行って勝ち取らなければならない、文明化の名のもとで、あれら全ての残りかすの人種を。幾千の我々の兵士はバイカル湖からヒマラヤ山脈までの全てのアジアを征服するのに充分であり…ここでコルテスの搾取を繰り返すことができる。」) —1873年に友人へ宛てた手紙にて プルジェヴァリスキーのレイシスト的不寛容は中国人以外のアジア人にも及び、タジクのヤクブ・ベグに関しては手紙で以下の様に述べている。「ヤク・ブベグは無能なアジア人と同じ糞だ。カシュガル帝国には1コペックの価値もない。」また、ヤクブの事を「政治的詐欺師以上の何者でもない」と主張し、「しばしば彼らの政府を呪い、ロシア国民となりたがる希望を表明する…野蛮なアジア人はロシアの力を繁栄のための保証であるとはっきり理解している」とカシュガルのヤクブ・ベグのムスリム国民を軽蔑。これらの発言はプルジェヴァリスキーがロシア軍にカシュガル帝国の占領を勧めたレポートの中で発せられたものであるが、これに対してロシア政府は行動を取らず、中国はカシュガルを奪還した。中国から領土を奪うというプルジェヴァリスキーの夢は実現することはなかった。 プルジェヴァリスキーは中国の民族だけでなく、800万のチベット、トルキスタンおよびモンゴリアの人々を未開で進化的に遅れた人々とみて、中国の支配からの解放がされるべきであるとした。また彼は伝えられるところによると多数のチベット人遊牧民を殺したという。 彼はロシアに対し中国これらの地域の仏教徒ならびにムスリムの諸民族へ中国の儒教政権への反乱を誘発させ、中国と戦争をして、少数のロシア兵でトルキスタンを中国から奪取することを提案した。
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