帝国主義と貿易摩擦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 17:47 UTC 版)
イギリスと清(中国)との間に起きた阿片戦争は、貿易摩擦の極端な表れ(貿易戦争(英語版))だといえる。当時、イギリスでは上流階級のみならず、庶民の間でも茶を飲む風習が広まっており、清から茶などを輸入していた。一方、清はイギリスからほとんど何も買わなかったので、両国の貿易ではイギリスが赤字で清は黒字であった。これを問題視して、赤字を解消しようとして実施されたのが、当時イギリスの植民地であったインドで栽培したアヘンの密貿易であった。 アヘン中毒が蔓延して、清がアヘン取締りに乗り出すと、イギリスではアヘン商人が「わが国の国益が損なわれる」として、議会に働きかけた。ウィリアム・グラッドストンは「こんな恥ずべき戦争は、イギリスの歴史に残る汚点となる」といって批判したが、投票の結果、わずかな票差で開戦が決定された。香港が長くイギリス領だったのは、阿片戦争の結果(南京条約のため)である。また、日本の下関戦争も貿易摩擦から起きたものであった。
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