岡田遺跡とは? わかりやすく解説

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岡田遺跡

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/11 15:05 UTC 版)

岡田遺跡
越公園(神奈川県高座郡寒川町)
所在地 神奈川県高座郡寒川町岡田
種類  複合遺跡
歴史
時代  旧石器時代〜縄文時代〜弥生時代

座標: 北緯35度22分23.8秒 東経139度23分50.5秒 / 北緯35.373278度 東経139.397361度 / 35.373278; 139.397361

岡田遺跡
説明看板(越公園)

岡田遺跡(おかだいせき)は、神奈川県高座郡寒川町に所在する旧石器時代から弥生時代後期にかけての複合遺跡。特に縄文時代中期の環状集落は神奈川県内最大規模であり、日本列島全域的に見ても有数の規模を持つ集落遺跡と目されている[1]

概要

相模川の支流である目久尻川小出川に挟まれた標高24メートルの相模野台地上に位置し、当時は遺跡南方の台地裾にあたる寒川駅周辺まで入江であった(縄文海進)。

1982年(昭和57年)に、県営住宅の建て替え工事に伴い発掘調査され、以降1989年(平成元年)まで延べ9回の調査が行われた。その結果、大型コンテナ約800箱分となる膨大な量の土器が出土し、調査範囲内だけでも600棟を超える竪穴建物跡が検出された。未調査区域を含めると推定1000棟から1500棟にのぼる竪穴建物跡が存在すると推定されており、日本列島最大級の縄文中期環状集落と推定された[2]

弥生時代の竪穴建物方形周溝墓なども検出されており、弥生時代に入っても集落が営まれていたと考えられている[2]

現在、出土した土器や石器等の遺物は、寒川町文化財学習センター(寒川町立一之宮小学校内)か寒川神社の方徳資料館(神嶽山神苑内)で見ることができる。

出土遺物

土器

総量:大型コンテナ約800箱。寒川町文化財学習センターで保管されている。

種類:深鉢、取手付土器、有孔鍔付土器、台付形土器、釣手土器などが出土している。

特徴:釣手土器が少なくとも3点確認された。

石器

総量:19118点

種類:打製石斧4776点、石錘3446点。石錘は主として網錘として使用されたと推測される。

釣手土器

3つの環状集落跡(a,b,c)から、計3点の釣手土器が出土した。

  • a(またはb)集落跡:藤内(勝坂Ⅱ)式期〜曾利Ⅰ式期
  • b集落跡:曾利Ⅲ式期以降
  • c集落跡:曾利Ⅱ式期

特にa集落跡から出土した1点は、神奈川県内では3例、全国で58例と比較的出土数が少ない釣手土器であり、3面がほぼ同じ形をしている釣手土器は全国的に例が少なく希少性が高い。この釣手土器は寒川町指定重要文化財に指定され、寒川町文化財学習センターのキャラクターである「つりてくん」のモデルとなっている[3]

周辺

脚注

  1. ^ 寒川町教育委員会 生涯学習課 生涯学習担当 (2013年2月19日). “岡田遺跡”. 寒川町. 2025年9月11日閲覧。
  2. ^ a b 一般社団法人 寒川町観光協会 (2013年2月19日). “岡田遺跡”. さむかわの観光. 2025年9月11日閲覧。
  3. ^ 町指定重要文化財:第20号〜21号(寒川町HP)

参考文献

  • 『寒川町史 8 別編 考古』 1996年(平成8年)11月1日 寒川町
  • 『岡田遺跡発掘調査報告書』:神奈川県高座郡寒川町 県営岡田団地内遺跡発掘調査団編 1993
  • 『岡田遺跡範囲確認調査報告書』:神奈川県高座郡寒川町 岡田遺跡発掘調査団編 1993
  • 『岡田遺跡 発掘調査報告書』:高座郡・寒川町 寒川町岡田遺跡発掘調査団編 1999
  • 『史葉』第3号 2010.5 「釣手土器の展開過程 -造形の継承と変容-」國學院大學 中村耕作
  • 『研究紀要』18 「縄文中期釣手上器考2」 新津 健 2002 山梨県立考古博物館 山梨県埋蔵文化財センター

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