安楽寺 (神奈川県寒川町)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 安楽寺 (神奈川県寒川町)の意味・解説 

安楽寺 (神奈川県寒川町)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/21 04:10 UTC 版)

安楽寺
参道入口
所在地 日本
〒253-0105
神奈川県高座郡寒川町岡田2-6-1
位置 北緯35度22分16.7秒 東経139度23分16.6秒 / 北緯35.371306度 東経139.387944度 / 35.371306; 139.387944座標: 北緯35度22分16.7秒 東経139度23分16.6秒 / 北緯35.371306度 東経139.387944度 / 35.371306; 139.387944
山号 大塚山[1]
院号 利益院(成就院)
宗旨 古義真言宗[1]
宗派 高野山真言宗
寺格 中本寺
本尊 大日如来[1]
創建年 伝・718年養老2年)
札所等 相模国準四国八十八箇所第6番
文化財 大日如来坐像 - 寒川町指定重要文化財第12号、1986年(昭和61年)6月20日指定
法人番号 1021005001427
テンプレートを表示

安楽時(あんらくじ)は神奈川県高座郡寒川町にある高野山真言宗の寺院。元中本寺。相模国準四国八十八箇所第6番。境内本堂裏手には大神塚古墳前方後円墳)がある。古くは寒川神社別当寺であった[1]。現在は高野山高室院の末寺。

歴史

国分寺の創建より古い718年養老2年)開基と伝わる古刹であり、相模國一之宮である寒川神社別当寺として創建された。寒川町内では最古の寺院で、御本尊である木造の大日如来坐像平安時代作)は寒川町の重要文化財に指定されている。

江戸時代には中本寺格の寺院として発展し、現在の寒川町、海老名市藤沢市にまたがる18ヶ寺の末寺を持ち、「一之宮門中」、「大塚門中」と称された。1633年寛永10年)の『関東真言宗古義本末牒』には「法談所」と記されており、この地域における真言宗僧侶の養成機関としての役割を担っていたと考えられる[2]。また、1821年文政4年)には「相模国準四国八十八箇所」の霊場として弘法大師坐像が安置された[3]

末寺一覧(太字は現存する寺院)
  • 医王院寒川町田端)
  • 南泉寺(寒川町一之宮)
  • 東光寺(寒川町一之宮)
  • 東福寺(寒川町大曲)
  • 観護寺(寒川町岡田)
  • 等覚寺(寒川町岡田)
  • 宝塔院(寒川町岡田)
  • 薬王寺(寒川町宮山)
  • 西善院(寒川町宮山)
  • 神照寺(寒川町宮山)
  • 三大坊(寒川町宮山)
  • 中之坊(寒川町宮山)
  • 金剛寺海老名市本郷)
  • 本覚寺(海老名市本郷)
  • 吉祥寺(海老名市中河内)
  • 正覚寺(海老名市門沢橋)
  • 観蔵寺藤沢市宮原)
  • 西福寺(藤沢市獺郷)
  • 成円寺(比定地不明)
  • 蓮花寺(比定地不明)

なお、薬王寺、西善院、神照寺、三大坊、中之坊の5ヶ寺は寒川神社の神宮寺及び、供僧寺でもある。

その後、1904年明治37年)には廃寺となった末寺の観護寺と等覚寺を合併し、さらに1907年(明治40年)には同じ末寺の宝塔院も合併し現在にいたる[4]

文化財

境内

本堂

現在の本堂は近年に建て替えられた。堂内は仏教寺院では珍しいステンドグラスによる装飾がなされている[6]

弘法大師坐像

「相模国準四国八十八箇所」の弘法大師坐像であり、中央は第6番である安楽寺、右は廃寺となった末寺の観護寺(第71番)、左は同じ末寺であった宝塔院(第75番)のがそれぞれ安置されている。

池(湧水

参道入口付近にある湧水池。池の中央には小さな祠がある。

大神塚古墳

境内本堂裏手にある前方後円墳で、初代相武国造茅武彦命(かやたけひこのみこと)の奥津城と伝わる。相模川流域の古墳としては最大級であり、周辺にはさらに5基の古墳群があった(1基のみ現存)。古くから寒川神社由緒の古墳として伝えられており、かつて塚の上には「傳聞相州一宮寒川大明神碑先生(王)之御廟窟也」と蓮華座に刻まれた大日如来の石像があった。安楽寺は寒川神社の本地仏であり、一番目の別当寺として創建された。通常、別当寺は神社のそばに建られるが、わざわざ大神塚の前に建てたのは、寒川神社由緒の古墳を守護する意味があると考えられる。

アクセス

最寄駅

周辺

その他

  • 毎月第2日曜日の午後3時から写経体験が開かれている[7]。(持参:筆・墨・硯・筆ペン可、紙代:100円、個人:予約不要、団体:予約)
  • 毎年、の開花時期である4月上旬に本堂で「桜のコンサート」が開催されている[8]
  • 境内裏手は、近世の中原街道が通過していた。

関連項目

脚注

  1. ^ a b c d 新編相模国風土記稿 岡田村 安楽寺.
  2. ^ 『寒川町史11 別編 美術工芸』61頁(寒川町、1992年)
  3. ^ 『寒川町史11 別編 美術工芸』420頁(寒川町、1992年)
  4. ^ 『寒川町史10 別編 寺院』130頁、134頁(寒川町、1997年)
  5. ^ 寒川町ホームページ 町指定重要文化財:第7号~12号”. 2018年9月21日閲覧。
  6. ^ 神奈川県ホームページ 寒川の安楽寺で写経体験をしてきました!”. 2018年9月13日閲覧。
  7. ^ 一般社団法人寒川町観光協会ホームページ 写経(安楽寺)”. 2018年9月13日閲覧。
  8. ^ 寒川町観光協会ブログ 安楽寺 桜のコンサート”. 2018年10月23日閲覧。

参考文献

  • 『寒川町史10 別編 寺院』(寒川町、1997年)
  • 『寒川町史11 別編 美術工芸』(寒川町、1992年)
  • 「澁谷庄 岡田村 安楽寺」『大日本地誌大系』 第38巻新編相模国風土記稿3巻之63村里部高座郡巻之5、雄山閣、1932年8月。NDLJP:1179219/156 

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「安楽寺 (神奈川県寒川町)」の関連用語

安楽寺 (神奈川県寒川町)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



安楽寺 (神奈川県寒川町)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの安楽寺 (神奈川県寒川町) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS