山の水族館・郷土館
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「山の水族館・郷土館」は、1978年(昭和53年)4月29日~2011年11月6日に大雪山の麓に設置された公立水族館で、郷土館を併設していた。山の水族館は、当時の留辺蘂(るべしべ)町長が「海に水族館があるのは当たり前。山でも川には淡水魚がいる。山に水族館があってもいいのでは」と観光開発の意義を述べ、コンピュータソフト会社から転職した臨時職員が、北海道外の水族館を視察し、山の水族館のコンセプトを「北海道の淡水魚を収集」、「熱帯魚も扱う温泉水族館」と企画し、留辺蘂町が建てている。以下は北見市の案内である。 北海道内に生息する約50種類の淡水魚を集めた全国でも珍しい淡水魚の水族館。なかでも圧巻なのが幻の魚と呼ばれる日本最大の淡水魚、イトウ。巨大なイトウが50匹近い群をなし悠然と泳ぐさまに、北海道の雄大な自然を感ぜずにはいられません。併設する温泉水族館では、巨大ナマズやウーパールーパーをはじめとする世界の珍しい熱帯魚も見ることができます。また、郷土館では、開拓時代を偲ばせる森林鉄道、村落などを再現したジオラマが見もの。マルチスクリーンでは、大きな画面いっぱいに映し出される留辺蘂の四季や動植物の姿を通して、このまちの多くを知ることができ、旅の楽しさを倍加してくれます。 — 留辺蘂自治区 訪ねてほしい観光スポット、2011年2月15日 北見市 留辺蘂総合支所産業課 温根湯(おんねゆ)温泉は、高度経済成長と共に団体客を集めて賑わい、水族館開館の1978年に入館者は5万人を超えた。児童の社会見学施設としても利用され、開館後6年の間、年間4万~5万人台の入館者を維持していた。のちに、水族館の周囲には道の駅おんねゆ温泉が整備された。道の駅の建物や付属施設(果夢林(かむりん)の館、クリーンプラザおんねゆなど)が建てられると、水族館はそれらの陰に隠れた。また、山の水族館・郷土館は、冬期間は気候が厳しく客足が落ち込むため休館していた。 開館後、数年たつと入館者は減少傾向となり、水族館前の広場に世界最大級の「からくりハト時計塔」が完成した1996年には入館者4万5千人台に回復したものの、98年以降は2011年の閉館まで2万人台に落ち込む。また、水族館のそばにある温根湯(おんねゆ)温泉街は賑わいがなくなり、ホテルや店の廃業も相次ぎ、シャッター通りとなった。水族館の経営も年間200-300万の赤字であった。赤字続きで危機的状況となり、リニューアルを計画された。ある職員は2006年に、「温根湯(おんねゆ)の道の駅や山の水族館から新北見市の観光資源を発信する工夫が必要」と述べている。また、当時から勤めていた別の職員はリニューアル後の取材で、このころの展示手法は水泳プールのような薄水色の水槽の中で魚を泳がせる展示であったと述べ、また、「面白さがなかった」とも述べている。一方、リニューアルに関わった北見市職員は「北海道開拓記念館だって月何千人の世界。名も知られていないミニ水族館としては、入館者が来ていた方だった」と自評する。また、北見市職員を取材した朝日新聞も、冬期休館する施設としては「健闘」していたと、報じている。
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