対策型検診と任意型検診
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/12 03:15 UTC 版)
「スクリーニング (医学)」の記事における「対策型検診と任意型検診」の解説
詳細は「対策型検診」を参照 対策型検診とは、集団全体の死亡率減少を目的として実施するものを指し、公共的な予防対策として行われる。このため、有効性が確立したがん検診を選択し、利益は不利益を上回ることが基本条件となる。わが国では、対策型検診として市区町村が行う住民検診が該当する。対策型検診のがん検診は5種あり、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんである任意型検診は、対策型検診以外の検診が該当するが、その方法・提供体制は様々である。典型的な例は、医療機関や検診機関が行う人間ドックが該当する、保険者による予防給付や個人による受診選択など受診形態も様々である。 対策型がん検診と任意型がん検診 対策型がん検診(住民検診など) 任意型がん検診(人間ドックなど )日本胃がん 大腸がん 肺がん 乳がん 子宮頸がん 種々 目的対象集団全体の死亡率を下げる 個人の死亡リスクを下げる 検診提供者市区町村 特定されない 検診対象者検診対象として特定された集団構成員の全員(一定の年齢範囲の住民など) ただし、無症状であること。症状があり、診療の対象となる者は該当しない 定義されない。ただし、無症状であること。症状があり、診療の対象となる者は該当しない 検診費用無料、あるいは一部小額の自己負担が設定される 全額自己負担。ただし健保組合などで一定の補助を行っている場合もある。 提供体制公共性を重視し、個人の負担を可能な限り軽減した上で、受診対象者に等しく受診機会があることが基本となる 提供者の方針や利益を優先して、医療サービスが提供される 受診勧奨方法当該がんの死亡率減少効果が確立している方法を実施する 一定の方法はない 検診方法当該がんの死亡率減少効果が確立している方法を実施する 当該がんの死亡率減少効果が確立している方法が選択されることが望ましい。ただし個人あるいは検診実施機関により、死亡率減少効果が明確ではない方法が選択される場合がある 利益と不利益利益と不利益のバランスを考慮する。利益が不利益を上回り、不利益を最小化する 検診提供者が適切な情報を提供したうえで、個人のレベルで判断する 受診の判断がん検診の必要性や利益・不利益について、広報等で十分情報提供が行われた上で、個人が判断する がん検診の限界や利益・不利益について、文書や口頭で十分説明を受けた上で、個人が判断する。 感度・特異度特異度が重視され、不利益を最小化することが重視されることから、最も感度の高い検診方法が必ずしも選ばれない 最も感度の高い検査が優先されがりであることから、特異度が重視されず、不利益を最小化することが困難である 精度管理がん登録を利用するなど、追跡調査も含め、一定の基準やシステムのもとに、継続して行われる 一定の基準やシステムはなく、提供者の裁量に委ねられている 具体例健康増進事業による市区町村の住民対象のがん検診(特定の検診施設や検診車による集団方式と、検診実施主体が認定した個別の医療機関で実施する個別方式がある) 検診機関や医療機関で行う人間ドックや総合健診 、 保険者が福利厚生を目的として提供する人間ドック
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