宣伝と興行成績
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 09:33 UTC 版)
最初はフジテレビが東映に配給を打診に行ったら、岡田茂東映社長が「犬がウロウロするだけで客が来たら、ワシらが苦労して映画撮る必要ないやろ!!」と、門前払いしたといわれる。 フジサンケイグループの総力を挙げた宣伝とメディアミックスが行われた。『笑っていいとも!』にはタロとジロが出演、7月17日にはテレビアニメ『さすがの猿飛』でパロディ「肉丸南極物語」、公開当日の7月23日には特別番組『南極物語スペシャル』を放送、制作秘話やエピソードを織り交ぜながら映画を紹介し、更に渡瀬恒彦と植村直己の対談も放送、さらにバラエティ番組『オレたちひょうきん族』の「タケちゃんマン」で7月30日に「タケちゃんマンの南極物語の巻」が放送。この他にもフジテレビとニッポン放送で連日大々的なキャンペーンが行われた。 映画公開自体をイベント化して大ヒットをもたらした大々的な宣伝は、当時の角川映画の方法論を踏襲してそのお株を奪うものであったが、一方で電波の私物化であるとの批判も起こった。 全国キャンペーンには、タロとジロを演じた犬と、犬の飼い主役で3シーンのみ出演の荻野目慶子がキャンペーンガールとなって全国をまわった。荻野目はイメージソング「愛のオーロラ」も歌い、フジサンケイグループのキャニオンレコードから発売された。その他のメディアミックスについては、学研の『学習・科学』全誌で大々的に取り上げられ、学研とサンケイ出版から関連書籍が出された他、ポニーキャニオンからは当時の8ビットパソコン向けにゲームが発売された。 日本国内では1200万人を動員して61億円の配給収入を挙げた。1980年公開の黒澤明監督の「影武者」の記録を塗り替えて当時の日本映画の歴代映画興行成績(配給収入)1位を記録し、この記録は1997年公開の宮崎駿監督のアニメ映画「もののけ姫」まで、あるいは実写映画としては2003年公開の「踊る大捜査線2」に抜かれるまで破られなかった。フジサンケイグループを中心に当時としては記録的な240万枚の前売り券が販売。共同製作の学習研究社と協力して全国の家庭も対象に前売券を販売した。
※この「宣伝と興行成績」の解説は、「南極物語」の解説の一部です。
「宣伝と興行成績」を含む「南極物語」の記事については、「南極物語」の概要を参照ください。
- 宣伝と興行成績のページへのリンク