実在の構成要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 02:04 UTC 版)
詳細は「ドラヴィヤ (ジャイナ教)」を参照 この宇宙はジャイナ教で6つの実体(ドラヴィヤ)と呼ばれるものから出来上がっている。ドラヴィヤは実在物の基本的な構成要素であり以下のように分類される: ジーヴァ (サンスクリット語: जीव、命) "命ある実体"、魂 魂(ジーヴァ)が本当に存在し、魂の居所である肉体から離れて存在するとジャイナ教は信じている。「ジーヴァ」は「チェータナー」(意識)と「ウパヨーガ」(知識と認識)によって特徴づけられる。魂は誕生と死を経験するが、本当は生じることも滅することもない。崩壊と生起はそれぞれ、魂の一つの状態が消えること、別の状態が現れることを言っており、これらは魂の様態であるに過ぎない。 アジーヴァ (अजीव 、非命)- 命なき実体プドガラ पुद्गल - 物質、個体、液体、気体、エネルギー、細かいカルマの物体と非常に細かい物体つまり究極的な構成要素に分類される。パラマーヌつまり素粒子はあらゆる物質を構成する塊だとされる。「パラマーヌ」と「プドガラ」が持つ性質の一つとして永続性・不滅性がある。これは自身の様式を融合したり変化させたりするが基本的な性質は変わらない。ジャイナ教によれば、これ生じることも滅することもない。 ダルマタットヴァ धर्मतत्त्व - 「運動の媒体」と アダルマタットヴァ अधर्मतत्त्व 「静止の媒体」 - ダルマースティカーヤ धर्मास्तिका と アダルマスティカーヤ अधर्मास्तिकायとしても知られ、これらは運動と静止の原理を表すジャイナ思想に特有の概念である。これらは宇宙に充満しているとされる。「ダルマタットヴァ」と「アダルマタットヴァ」はそれ自体が運動や静止ではないが、他の物体における運動や静止を成立させる。宇宙で「ダルマースティカーヤ」がなければ運動は不可能で、「アダルマースティカーヤ」がなければ静止は不可能である。 アーカーシャ (आकाश、虚空): 空間 - 空間は魂、物質、運動の原理、静止の原理、時間などがその中に収まっている実体。空間は全面的に広がっており、無限であり、無限に存在する空間上の点からなる。 カーラ काल "時間"はジャイナ教によると実在する存在であり、あらゆる活動・変化・改変は時間を通じて達成される。ジャイナ教において、時間は十二本の輻を持った車輪に準えられる。その車輪は、それ自体さらに上下二等分される六つの段階に分けられ、それぞれの計り知れない期間は数十億の「サーガローパーマ」つまり「大洋年」で評価される。ジャイナ哲学者によれば、段階がだんだん下っていくにつれて悲しみが増大し、段階が上がっていくにつれて幸福・至福が増大するという。 これらは新たに生まれることなく存在し続ける宇宙の構成要素であり、互いに相互作用することで宇宙に必要な動力を与える。これらの構成要素は永久の存在に干渉されることなく自然法則と自身の性質に従って振る舞う。ジャイナ教によれば「事物のあり方はダルマにしたがう」(「ヴァットゥ・サハーヴォー・ダンモー」、アルダマーガディー語: वत्थु सहावो धम्मो、Vatthu sahāvō dhammō) のである。
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