アジーヴァ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/07/22 22:36 UTC 版)
「タットヴァ (ジャイナ教)」の記事における「アジーヴァ」の解説
アジーヴァ(Ajīva)は五つの生きていない実体であり、ジーヴァとともに宇宙を構成している。その内訳は以下: プドガラ(Pudgala、物質) –プドガラは固体、液体、気体、エネルギー、微細なカルマの元素、そして極端に微細な物体つまり素粒子に分類される。パラマーヌ(Paramānu)つまり素粒子は全ての物質の構成要素とされる。パラマーヌおよびプドガラは不生不滅で破壊できないという特徴を持つ。これらは結合したりその様態が変化したりするがその基本的な性質は変わらない。ジャイナ教によればこれらは新たに生まれることも破壊されることもない。 ダルマタットヴァ(Dharma-tattva、運動の媒体)とアダルマタットヴァ(Adharma-tattva、静止の媒体) – これらはダルマースティカーヤ(Dharmāstikāya)とアダルマースティカーヤ(Adharmāstikāya)とも呼ばれる。これらはジャイナ思想に特有のもので、運動と静止の原理を表す。これらは宇宙全体に充満しているとされる。ダルマタットヴァとアダルマタットヴァはそれ自体が運動や静止であるというわけではないが他の物体の運動や静止を媒介する。宇宙にダルマースティカーヤがなければ運動することができないしアダルマースティカーヤがなければ静止することができない。 アーカーシャ(Ākāśa、虚空) – 虚空はその中に霊魂、物質、運動の原理、静止の原理、時間が収まっている実体である。虚空は全てを覆い尽くしていて、無限であり、無数の空間単位から成る。 カーラ (Kāla、時間) – ジャイナ教において時間は実在する存在であり、あらゆる活動、変化、修正は時間を通じてのみ達成される。ジャイナ教では時間は十二の輻を持つ車輪に例えられる。その車輪は上昇する側半分と下降する側半分に分けられ、それぞれがさらに六つの段階を持ち、各段階は「サガロパマ」つまり大洋年と呼ばれる非常に大きな時間の単位で計られる。ジャイナ教徒によれば、下降する側半分では徐々に悲痛が増大し、上昇する側半分では徐々に幸福が増大するという。
※この「アジーヴァ」の解説は、「タットヴァ (ジャイナ教)」の解説の一部です。
「アジーヴァ」を含む「タットヴァ (ジャイナ教)」の記事については、「タットヴァ (ジャイナ教)」の概要を参照ください。
- アジーヴァのページへのリンク