妙本寺本とは? わかりやすく解説

妙本寺本

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:25 UTC 版)

曽我物語」の記事における「妙本寺本」の解説

「妙本寺本」(安房妙本寺本)は、現存する完本ものとしては『曽我物語』の中で最古所伝本である。そして現存する真名本」の全てが、「妙本寺本」を基にしていることがわかっている。原本国の重要文化財(日助筆曾我物語真名本10巻)に指定されている(指定日:1959年昭和34年6月27日)。 この祖本はその奥書に「日向国臼杵右筆四位公日助」と記されており、ここから来歴を知ることができる。これによると、日向国宮崎県)の日助という日蓮宗僧侶書写したものである。日助は日向国臼杵郡本東寺延岡市)の住僧だったと推定されている。日助が何をもとに写本作成したかは不明。 日助は天文15年1546年4月25日から8月15日にかけて、写本作成した。そして、天文22年1553年6月21日に、自ら作成した曽我物語』全10巻写本安房国安房郡千葉県鋸南町)の妙本寺住職日我1508年 - 1586年)へ寄進した。これを「妙本寺本」(安房妙本寺本)という。 日助によるこの写本は、このあと宝永6年1709年3月に、日向国飫肥藩宮崎県日南市)の藩主伊東家求めに応じて寄進された。日向の伊東氏は、曽我兄弟によって討たれ工藤祐経の子孫である。以後この写本はながら伊東家所蔵になっていたが、伊東祐淳1907年 - 1990年)の代のときに文化庁預託になり、国立博物館所蔵となったこのため、この「妙本寺本」原本を「伊東祐淳妙本寺本」ともいう。 この写本は、『曽我物語真名本として現存する最古写本であると同時に10巻が欠くことなく揃っている。そして、現存する全ての真名本系統伝本はすべて、「妙本寺本」を祖本として作成されたことがわかっている。このため現代の『曽我物語研究者は、ふつう、この「妙本寺本」を研究の中心におくことになる。 「妙本寺本」は、勉誠出版写真版を、角川書店活字版を、平凡社注釈付き訓読版(東洋文庫)を、それぞれ刊行している。

※この「妙本寺本」の解説は、「曽我物語」の解説の一部です。
「妙本寺本」を含む「曽我物語」の記事については、「曽我物語」の概要を参照ください。

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