本門寺本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 05:25 UTC 版)
「妙本寺本」は妙本寺から各地へ伝播したことがわかっている。天文23年(1553年)には、日我が住職を兼務する駿河国富士宮(静岡県富士宮市)の久遠寺で、代官の日義により写本がつくられた。これが同市内の本門寺に現在も伝わり、「本門寺本」(「重須本門寺本」とも)と呼ばれている。 「本門寺本」は10巻10冊で完本で、「妙本寺本」をほぼ忠実に転写したものである。ただし一部、「妙本寺本」にある異文表記や傍書を本文に組み込んでいるところがある。このため「妙本寺本」の下位におかれている。これに反し、「本門寺本」は「妙本寺本」とは異なる写本から作られているとする学説もある。 「本門寺本」は「訓読本」のベースになったことがわかっており、この点で歴史的価値が認められている。このほか「本門寺本」からは、「日尭筆副本」、「内閣文庫蔵本」、「静嘉堂文庫蔵本」、「国会図書館蔵本」などが派生している。
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