本門の本尊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 23:32 UTC 版)
本門の本尊とは日蓮の仏教における信仰と礼拝の対象をいう。 本門の本尊について、日蓮宗ではその実体は「久遠実成本師釈迦牟尼仏」すなわち法華経寿量品文上に説かれる五百塵点劫成道の釈迦仏であるとし、具体的な本尊の形態としては文字曼荼羅、一尊四士(釈迦仏像の左右に上行・無辺行・浄行・安立行の四菩薩像を安置する形態)、二尊四士(釈迦如来・多宝如来像の左右に四菩薩像を安置する形態)のいずれでもよいとする。 それに対して日蓮正宗など日興門流の多くは仏像を本尊とすることを認めず、本門の本尊とは文字曼荼羅のみであり、文字曼荼羅は日蓮と一体不二であるとする(曼荼羅を法本尊、日蓮を人本尊とする)。その背景には、日蓮宗が法華経に説かれた釈迦仏を本仏(教主)とするのに対し(釈迦本仏論)、日蓮正宗は釈迦仏を正法・像法時代の仏ととらえ、日蓮を末法の本仏とする(日蓮本仏論)など、本仏観の相違がある。
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