失われた世代とは? わかりやすく解説

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ロストジェネレーション

別名:ロスジェネ、失われた世代
英語:lost generation

戦争貧困不況などにより行き場なくなった迷走する若者総称略してロスジェネと言うこともある。

ロストジェネレーションは、1920年代から1930年代にかけて活躍したアメリカ合衆国作家や、1990年代以後南アフリカ諸国において学校教育受けず犯罪繰り返す青年たちに対して用いられる。特に日本においては就職氷河期社会人になった人たちをロストジェネレーションという。

日本におけるロストジェネレーションは、1993年頃から2005年頃までの間に社会人になった人たちのことを指す。この頃は、日本バブル経済崩壊した後の景気低迷による雇用悪化就職難だったとされる

ちなみに日本高度成長期以降失業率2%台で推移していたが、就職氷河期2002年には5.4%まで上昇している。またこの頃は、ロストジェネレーションの自殺増加したとされる

うしなわれた‐せだい〔うしなはれた‐〕【失われた世代】

読み方:うしなわれたせだい

ロストジェネレーション


失われた世代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/12 13:47 UTC 版)

失われた世代(うしなわれたせだい)、ロストジェネレーション: Lost Generation)とは

  1. 1920年代から1930年代に活躍したアメリカ合衆国の作家の一群。広義では、欧米諸国で第一次世界大戦に遭遇して、従来の価値観に懐疑的である世代も指す。 →本項で解説
  2. 1990年代にアメリカ合衆国において薬物乱用犯罪を繰り返す10代の若者が社会問題となり、新たな失われた世代と呼ばれた。
  3. 1990年代以後のアフリカ諸国において学校教育を受けずに犯罪を繰り返す青年が社会問題となり、それらの青年を指して呼んだ。
  4. 日本の1990年代のバブル崩壊以降の就職氷河期世代の別称。

文学史における失われた世代 (Lost Generation) は、1920年代から1930年代に活躍したアメリカ合衆国の小説家を指す語である。広義では、欧米諸国で20代の時に第一次大戦に遭遇して、従来の価値観に懐疑的になった世代も指す。生年で見ると、1880年代中期から1890年代(あるいは19世紀末の1900年)までに生まれた世代とされる。

概要

ヘミングウェイの息子バンビとガートルード・スタイン(1924年)

「ロストジェネレーション」という言葉は第一次大戦後の1920年代パリに滞在していたアーネスト・ヘミングウェイに対しガートルード・スタインが投げかけた台詞(You are all a lost generation. あなたたちは皆、失われた世代なのよ。)に由来し、酒や享楽に溺れる「自堕落な世代」を意味していた。(正確には「失われた世代」は誤訳に近いものであるが、日本ではこの語で定着している)。ヘミングウェイがこの台詞を『日はまた昇る』のエピグラフに引用し広く知られるようになった。

第一次世界大戦後の当時、アーネスト・ヘミングウェイシャーウッド・アンダーソンジョン・ドス・パソス、画家のワルド・パース英語版シェイクスピア・アンド・カンパニー書店店主のシルビア・ビーチ、詩人ではE・E・カミングスエズラ・パウンド、批評家ではマルカム・カウリーそしてスタイン自身など、パリで生活したアメリカ人の一群がいた。F・スコット・フィッツジェラルドもこの頃パリに旅行し、スタインらと交友を持った。

ヘミングウェイの『日はまた昇る』(1926年)やフィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』(1925年)などの作品はロストジェネレーションの文学と呼ばれた。延いては、文学だけでなく、「第一次大戦後に青年期を迎えたアメリカ人」も指すようになった。

「ロスト」という語は「失った」という意味を持つ一方で、「迷子の」「行き場の無い」という意味も持つ。「ロストジェネレーション」は「失われた世代」と訳されるが、「迷子世代」「迷える世代」と訳される場合もある。この世代が、第一次大戦により、旧来の価値観に対する動揺や、戦死といった災禍に襲われた経験もまた、「ロストジェネレーション」という語を生んだ背景になっている。

ヨーロッパでは、ロストジェネレーションは「1914年世代」とも呼ばれている(1914年は第一次世界大戦の始まった年)。フランスでは「炎の世代 (Génération au Feu) 」とも呼ばれている。

なお、1980年代後半に繁栄の空虚さを小説に描いたアメリカ現代小説の作家グループは、「ニュー・ロスト・ジェネレーション(New Lost Generation)」(あらかじめ失われた世代)と呼ばれた。代表にジェイ・マキナニーブレット・イーストン・エリスがいる。

特徴

アメリカ合衆国世代
*=諸説あり, ?=世代の期間が定まっていない,
^=シュトラウス=ハウ世代理論

○○世代 期間
^清教徒世代英語版 1588 - 1617
清教徒の目覚め英語版 1621 - 1649
^en:Cavalier Generation
^en:Glorious Generation
^en:Enlightenment Generation
^en:Awakening Generation
1618 - 1648
1648 - 1673
1674 - 1700
1701 - 1723
第一次大覚醒 1727 - 1746
^en:Liberty Generation
^en:Republican Generation
^en:Compromise Generation
1724 - 1741
1742 - 1766
1767 - 1791
第二次大覚醒 1790 - 1844
en:Transcendentalist Generation
^en:Transcendental Generation
^en:Gilded Generation
^en:Progressive Generation
1789 - 1819
1792 - 1821
1822 - 1842
1843 - 1859
第三次大覚醒 1886 - 1908
^Missionary Generation(英語)
失われた世代
戦間期世代英語版
最も偉大な世代の人々英語版
^G.I.世代英語版
1860 - 1882
*1883 - 1900
1901 - 1913
*1901 - 1927
1901 - 1927
ジャズ・エイジ 1918 - 1929
ビート・ジェネレーション
沈黙の世代英語版
ベビーブーマー
ジョーンズ世代英語版
1914 - 1929
*1928 - 1945
*1946 - 1964
1954 - 1965
意識革命英語版 1964 - 1984
X世代
^13世代
MTV世代英語版
ブーメラン世代英語版
*1965 - 1980
1961 - 1981
1974 - 1985
1977 - 1986
文化戦争 1980s - present
デジタルネイティブ
ミレニアルズ(Y世代)
Z世代
^ニュー・サイレント・ジェネレーション
α世代
β世代
*1976 - present
*1980 - 1995
*1996 - 2010 ?
*1990 - 2009 ?
*2013 - 2028 ?
*2025 - 2039 ?
アメリカ合衆国および西洋世界などにおける主な世代区分
(世代の範囲はピュー研究所[1]などの区切りに基づく)

ロストジェネレーションの人々は、第一次大戦における大量の犠牲により、親世代が持つヴィクトリア期モラルに対して冷笑的になったとされる。また、第一次大戦に遭遇したが故に、社会と既成の価値観に絶望し、その中で生きる指針を失い、社会の中で迷った世代である。どの世代の例に漏れず、この例に該当する者と該当しない者の双方が存在した。

ロストジェネレーションは、20代の青年期を第一次大戦に蹂躙され、戦死したり、生き残ったが社会生活に支障を来たす負傷をした者も多い。40代に当たる1930年代には世界恐慌に遭遇し、50代を第二次大戦に蹂躙されるという、「貧乏くじ世代」であったとも言える。

ロストジェネレーションの子供世代はビート・ジェネレーションと呼ばれており、純粋なアメリカ文化と言われるジャズが花開いた時代(ジャズ・エイジ)に9歳までの時期を過ごしたが、10代の少年期を世界恐慌に蹂躙され、20代の青年期を第二次大戦に蹂躙されるという、これまた「貧乏くじ世代」であったとも言える。

ロストジェネレーションの人々の中には、当時のアメリカ文化がヨーロッパに存在する文明性を欠いていると考えた者もいた。彼らは「ローリング・トゥエンティーズ」と呼ばれる好景気に沸いていたアメリカを後にして、その時間の多くをヨーロッパ、中でもパリを中心に生活していた。この期間に生み出された文学作品の中に、後にアメリカ文学における傑作と目される作品も多い。

南米・アフリカ・インド・イラク・フランス・オーストラリア

1990年代に、南アフリカやラテンアメリカ、インド・イラク・フランス・オーストラリアの教育を受けていないLost Generationが、武装し強盗や強姦を繰り返すことが世界的な社会問題となった。スタインが「You are all a lost generation.」と述べた時と同様に、「自堕落な世代」というニュアンスで用いられている。

  • The Politics of Education: South Africa's Lost Generation. (EJ429512) Author(s): Green, Max Source: American Enterprise, v2 n3 p12-15 May-Jun 1991
  • Children in the Streets: Latin America's Lost Generation. (EJ508908) Author(s): Rizzini, Irene; Lusk, Mark W. Source: Children and Youth Services Review, v17 n3 p391-400 1995

日本における「失われた世代」と語彙の違い

アメリカでは1990年代に、ドラッグに溺れ略奪や殺人などを繰り返す「新たな失われた世代 (New Lost Generation)」に悩まされ、文字の読み書きを教え、労働へ導くべきだという議論が繰り返された。

一方、日本でも2000年代に入り、一部のメディアを中心にバブル崩壊後の就職氷河期世代に対して「失われた世代 (ロスト・ジェネレーション、ロスジェネ)」という語が使われるようになったが、アメリカの上記のケースとはニュアンスがかなり異なるため、日本国外での「Lost Generation」概念と一致するわけではない。労働問題に起因している点は同様であるが、日本国外で"Lost Generation"といえば、殺人強盗集団のような暴力的な不良青年のイメージがある(日本では必ずしも暴力的な集団を指しているわけではない)。日本の「失われた世代」は概ね団塊ジュニアポスト団塊ジュニアと呼ばれる世代(1971年昭和46年 - 1974年昭和49年生まれ)、(1975年昭和50年 - 1981年昭和56年生まれ[2][3]に該当し、アメリカの「Generation Y」(Millennials) と呼ばれる世代、韓国の88万ウォン世代、北朝鮮のチャンマダン世代(苦難の行軍期に育った世代)とも時代が重なる。

脚注

関連項目

外部リンク

先代
ミッショナリー・ジェネレーション
1860年-1882年
アメリカ合衆国の世代
失われた世代
1883年-1900年
次代
戦間期世代
1901年-1913年

失われた世代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 13:49 UTC 版)

狂騒の20年代」の記事における「失われた世代」の解説

詳細は「失われた世代」を参照 失われた世代とは第一次世界大戦遭遇して世界幻滅し冷笑的になった若い人々だった。この言葉一般に当時パリ住んだアメリカ文学著名人指して使われた。主な者としてアーネスト・ヘミングウェイF・スコット・フィッツジェラルドおよびガートルード・スタインがいた。

※この「失われた世代」の解説は、「狂騒の20年代」の解説の一部です。
「失われた世代」を含む「狂騒の20年代」の記事については、「狂騒の20年代」の概要を参照ください。

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