大阪府の財政問題
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1997年(平成9年)、府の法人2税収入の大幅減少を受け、大阪府基金条例・第3条の改正を府議会が可決 これにより特定目的基金から一般会計への借入が可能になった。 条例改正後は、赤字圧縮のための「やむを得ない措置」として、減債基金から一般会計への借入を行なっていたことが太田房江元府知事時代から公表されていたが、橋下は知事就任後にこの借入をやめると宣言。橋下の指示で作られた府財政担当者の研究会は2008年(平成20年)12月、借入は基金の設置目的に沿わないとして「今後一切おこなわないこと」と指摘していた。 翌年に2009年(平成21年)2月の府議会において、大阪府基金条例・第3条が再び改正され、特定目的基金から一般会計への借入は原則としてできなくなった。 同年10月、これまで判明していた減債基金からの借入のほかに、新たに6基金から1479億円の借入が明らかになり、府財政課は、減債基金と同様に「実質的には赤字」と説明した。 同月初め、橋下が、府環境農林水産部所管で緑化推進が目的の「みどりの基金」(2008年度で名目上の残高87億円)を使って大規模な緑の拠点づくりの計画を作るよう指示。しかし、みどりの基金は一般会計に83億円を貸し付けており、実際の残額は4億円。一般会計を所管する財政担当から「財政難のため、返済が困難」と報告があり、問題が発覚したという。 同月28日付の府の作成した資料 によると、以前から公表されていた2002年から2008年にかけての減債基金から一般会計への借入5202億円とは別に、1998年(平成10年)から2001年(平成13年)にかけて6基金から1533億円の借入があり、うち1479億円が未返済。橋下の知事就任以降の借入はなく、過去の借入は一般財源で積み立てた範囲内で行っており、府民等からの寄付分を含んでいないとされている。 この事態を受け、府の財政課長は「条例上は問題なかったが、名目と実質の違いを明らかにすべきだった。今後わかりやすい説明に努める」とコメント。橋下は借入金について、「いつ返すのか決まっていない。これは借り入れじゃなくて使い込み」「基金から借り入れて、何とか数字を合わせている。真実の数字に基づいた会計制度にしないといけない」と指摘。返済計画がなく不良債権化していると指摘し、会計システム改革に着手する考えを明らかにした。 2010年(平成22年)2月3日の会見で橋下は、特定目的基金を減資し、今後は一般会計から特定目的基金への拠出をやめ、積み立ては財政調整基金に一本化、寄付の受け皿としての基金は残すという方針を明らかにした。同月の府議会において、大阪府基金条例の改正が可決され、特定目的7基金の6588億円が一括減資処分された。
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