大阪大学准教授時代
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2010年、大阪大学大学院工学研究科知能・機能創成工学専攻の准教授に着任。工学部応用理工学科機械工学科目におけるメカトロニクス系の実習も担当する。ジャイロセンサや加速度センサの情報をもとに姿勢推定にあたり、市販品より高速・高精度に3次元の姿勢を推定する手法を開発。九州大学から特許出願もなされた。 杉原は人のように「硬くて柔らか」く、「しなやかで正確」なサーボモータの制御を志向し、トルクセンサを備えて摩擦や粘性を補償する、バックドライバビリティを持つモータ制御技術を開発。フォトインタラプタを用いた光学式トルクセンサも製作し、これは精度は低いものの安価で済む。また、膝と足首が連動するリンク機構も開発し、2014年には自由度が0と計算されるにも関わらず2自由度の回転運動を行う特殊なパラレル機構も発表した。 杉原はロボットの立位安定の制御則が人間でも成立することを、重心の位相(位置と速度の軌跡)から検証する。また、ロボット制御においても力学変容をロボットの運動遷移に応用した。日本ロボット学会の「開かれた知能」研究専門委員会では副委員長を務め、未知環境内でロボットを移動させたり誘導させるため、「SLAM-SEAN」にも取り組んでいる。2015年度からはImPACTタフ・ロボティクス・チャレンジのシミュレーションプロジェクトにも参画しており、Choreonoidの機能拡張に取り組んだ。 なお、杉原はDARPAロボティクス・チャレンジや2015年の国際会議で日本のヒューマノイドロボット研究が世界の後塵を拝していることに危機を感じ、若手の育成やコミュニティづくりを意図して「ヒューマノイド・ロボティクス2016夏の学校」を開催。継続開催するともに、日本ロボット学会に「ヒューマノイド・ロボティクス専門委員会」を組織し、杉原は委員長に就任した。
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