大まかな種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 02:28 UTC 版)
有機塩素系農薬 (OCP) は、毒性が残留し、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)、アルドリン、クロルデン、ディルドリン、エンドリン、ヘプタクロル、HCB、ミレックス、トキサフェンなどは使用の禁止や使用の制限を受けており、アフリカ、南アジア、中央アメリカ、南アメリカなどの地域でまだ使用されている。1962年にレイチェル・カーソンが、鳥類へのDDTの影響についての『沈黙の春』を出版し、最終的には1972年のDDTの禁止につながった。 ベトナム戦争で使われた枯葉剤として有名なダイオキシンは、210種類の化合物を含む総称で、ほかの化学物質のごみ焼却処理などでも副産物として生成される。ポリ塩化ビフェニル (PCB) はダイオキシンと一部は同様に作用する。 ポリ塩化ビフェニル (PCB) とポリ臭化ジフェニルエーテル (PBDE) は、PCBは変圧器やコンデンサーの冷却剤や潤滑剤や電気機器に広く使われ、PBDEは1960年代から電化製品や建築材料に使われてきており、廃棄処理されることで環境に放出され、生物濃縮され特に食品の脂肪中に溶けて人間に摂取されることになる。身体負荷の9割は魚、肉、乳製品を摂取が原因となる。耐熱・絶縁のために作られたポリ塩化ビフェニル (PCB) は、工業的に頻繁に使用されたが、米国では1979年に禁止された。また1968年の日本では、ダイオキシンが混入した米油を食べカネミ油症事件が発生し1000人以上に被害を及ぼし、1979年にはPCBが食品に大量に混入した台湾油症が発生した。 PCBの代替物として、臭素系難燃剤のPBDEやヘキサブロモシクロドデカン(英語版) (HBCD) が使われ、PBDEではその同族体のペンタおよびオクタBDEが2004年に、decaBDE混合物は2013年までに米国で停止された。 多環芳香族炭化水素 (PAH) は、数百の化学物質のグループで、石炭や木からの自然発生、また自動車の排気ガスやタバコの煙、食品の調理から人為的に発生する。喫煙者でない場合、食事からの摂取が7割を占める。 またビスフェノールA (BPA) は半減期は短いためPOPsではないが、環境汚染物質の文脈でよくPOPsと共にひとまとめにされる。プラスチック、レシート用紙、塗料ほか多様な用途で使われ、半減期が長い化学物質かのように環境中に存在している。
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