大まかな解説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/01/08 09:55 UTC 版)
日本ではカニクサがごく普通に見られ、道ばたの雑草としてよく繁茂する。その形は蔓草であり、シダ類では珍しい。より具体的に見ると、長く伸びた蔓の上には多数の葉が並び、それらの葉は個々にシダの葉らしい1回ないし2回羽状複葉の形をしている。またこの葉にはそれを構成する小葉の縁が比較的滑らかなものと、小さな突起が並んでいるように見えるものがあり、これは胞子をつける構造である。 これを普通に見ると蔓になるのが茎であり、その茎の上に多数の葉が並び、その葉には胞子葉と栄養葉の区別がある、という風に見える。しかしながら実際にはこの植物の構造はそのような見かけとはかなり大きく異なっている。まず、真の茎は地下にある匍匐茎であり、葉を地上に出す。この葉の先端が無限に成長する能力を持ち、そのためにとても長く伸びられる。つまり1本の蔓全体が1枚の葉となっている。また胞子葉、栄養葉と見えるものは同一の蔓に生じるので、実際には胞子葉と栄養葉ではなく、1枚の葉の中の胞子形成部とそうでない部分の違いである。 また、葉と見られがちな部分、実際には羽片であるが、これもよく見ると独特であり、茎と見える主軸から出た短い柄の先に対を成して生じているように見える。これは実際にはその短い柄の先全体が1つの羽片であり、小羽片2つを伸ばしたところで羽片そのものは成長を止めてしまい、最下の1対の羽片のみしか無いからである。
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