外国渡航制限とは? わかりやすく解説

外国渡航制限

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:17 UTC 版)

ソビエト連邦」の記事における「外国渡航制限」の解説

外国、特に西側諸国への個人的理由での渡航は、亡命とそれに伴う国家機密流出外貨流出などを防止することを主な理由として原則的に禁止されており、渡航先の国と国交があるか否か関わらず当局許可がない限り渡航不可であった許可下りた場合でもさまざまな制限があり、少なくとも個人単位自由な旅行不可であった。これはソ連社会、および東側社会主義体制閉鎖性象徴として西側資本主義陣営から批判された。 さらに、外国から帰国した旅行者は必ずといっていいほどに諜報部から尋問を受けるため、本人にはその意思がなくても外国見たことを洗いざらい喋らねばならず、結果的にスパイをしてしまうというケース多かった。他にも、アエロフロートのような民間航空会社乗客実際にスパイとして役割兼ねている場合もあった。ただし、経済相互援助会議コメコン加盟国同士での海外渡航容易に可能であり、観光就労留学などさまざまな目的にて人的交流存在した西側諸国人との交際結婚多く障害があり、特に幅広く指定された「国益直接関係する者」や「国家機密関わる者」の婚姻禁じられていた。それでも一応、結婚自体は可能であったが(石井紘基ナターシャ夫人川村カオリ母親エレーナのように)、その時点でソ連社会での出世の道途絶えたうえに、今度配偶者母国出国するためのパスポート発給長い年月要した。これは西側資本主義国限らず衛星国の人との結婚でさえも当局からさまざまな妨害受けたといわれている。 外国航路運行する船舶外国演奏旅行をする楽団のみならず海軍艦艇に至るまで、乗務員楽団員亡命阻止し外国における言論監視するために必ずソ連共産党政治将校同行していた。それでもスポーツ大会演奏会などでの亡命個人集団問わず絶えなかった。しかし運よく移住できた場合でも、移住先の国家社会からは「ソ連のスパイ」という疑念持たれることが多く決し安住の地とは言えなかった。

※この「外国渡航制限」の解説は、「ソビエト連邦」の解説の一部です。
「外国渡航制限」を含む「ソビエト連邦」の記事については、「ソビエト連邦」の概要を参照ください。

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