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基本解説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 05:59 UTC 版)

年齢主義と課程主義」の記事における「基本解説」の解説

学年制度・入学制度の意味での年齢主義と課程主義は、学校などにおいて、学習者をどの学年所属させるか(進級させるか)や、どのレベルカリキュラム与えるかや、入学志願者入学許可するかを決定する際の、判断基準となる考え方のことを指す。この場合は、年齢主義では、学習者入学志願者年齢によって学年学習内容合否決定され課程主義では、学習者入学志願者学力習熟度到達度)や履修状況学歴)によって学年学習内容合否決定される通常はこの意味用いられるので、本記事では、主にこれについて詳述する義務教育制度の意味での年齢主義と課程主義は、何をもって義務教育期間(就学年限)の開始と終了とみなすかを決定する際の、判断基準となる考え方のことを指す。この場合は、年齢主義では、一定の年齢達した義務教育期間は終了し課程主義では、一定の課程修了した義務教育期間は終了する。これについては教育行政学範疇なので、「義務教育」の記事内で詳述する。 また学年制度・入学制度の意味義務教育制度の意味両方において、年数主義という第三の用語が使われる後述)。 英語では学年制の意味年齢主義にage-grade system年齢-学年制)またはSocial promotion社会的進級)の語が当てられることもある。 年齢主義は、学習者年齢によって、決まった学年または学級所属する形態である。このため年齢主義学校では、基本的に同一学年には同じ年齢(本記事では、生年月日1年以上違わない事を指す)の生徒だけが在籍しているが、同じ学年でも生徒間の学力大きく異なっている。基本的には、全くトラブルがなく良好な成績評価のまま卒業まで至ることを理想態としている制度である。休学期間があっても、復学時は「年齢相当学年後述)」に復帰する途中で成績低下しても、原級留置行われず年を追うごとに進級する。ただし、補習特別支援学級への移籍などの能力別教が行われる場合もある。成績良好な生徒に対して飛び級行われず、1学年ずつ進級する。ただし、拡充発展的な授業、エンリッチメント)や才能開発コースへの移籍などの能力別教が行われる場合もある。異種制度からの転入生編入生を除けば原級留置飛び級存在しない形態である。日本においては、ある学年に低年齢在籍できないという問題よりも、高年齢在籍できないという問題を指す場合に、この用語が使われることが多い。 課程主義は、学習者学習段階によって、決まった学年または学級所属する形態である。このため課程主義学校では、基本的に同一学年には異年齢生徒所属するが、同じ学年生徒間の学力年齢主義場合ほどには異なっていない。標準的な生徒場合は、年齢主義学校変わらない進級仕方をする。休学期間があった場合は、復学時には以前在籍していた学年に戻る。成績低下した時は、原級留置が行われて同じ学年再度履修する成績良好な生徒などに対して飛び級をさせる場合もある。所属する課程は、進級試験成績などの純粋な学力によって決められる場合もあるし、出席日数などの履修状況や、授業理解力などの知能水準によって決められる場合もある。日本においては飛び級が行われるという部分よりも、原級留置が行われるという部分を指す場合に、この用語が使われることが多い。 多くの国の学校制度では、完全な年齢主義または完全な課程主義どちらかであるわけではなく片方影響が強いという程度である。例え日本では義務教育段階での多く学校考え方年齢主義にかなり近いが、原級留置就学猶予稀にあるので、課程主義的な要素存在する逆に高等学校では、制度上は課程主義原則であるが、多く高校では最低年齢生徒が多いため、実態として年齢主義的な要素存在する。また義務教育段階課程主義基本としている諸外国でも、原級留置が2回程度しか許可されなかったり、一般的な在学年齢との差が大きい人は在学できなかったりする場合もあり、年齢主義要素存在しないわけではない年齢主義と課程主義相互に対立する概念だが、同様な対立する概念として履修主義修得主義がある。履修主義授業出席していれば実際に学力が身に付いたかを問わず進級または単位取得をさせる考え方のことで、年数主義後述)と類似した考え方であり、年齢主義ともある程度近い考え方である。修得主義習得主義)は実際に学力が身に付かなければ次の課程進まない考え方であり、課程主義類似した考え方である。ただし、この節最後後述するように必ずしも定義は確定していない。ただしどちらも課程主義一種考えることもできる修得主義真の課程主義であり、履修主義年齢主義年数主義に近い課程主義である。 学校入学志願者に対して入学許可するかどうか決定する際の判断基準としても年齢主義と課程主義という用語が使われる年齢主義選抜制度場合は、志願者学力学歴に関係なく、一定年齢である場合入学許可する年齢基準下限のみの場合上限のみの場合両方ともにある場合考えられる課程主義選抜制度場合は、志願者年齢に関係なく、学力学歴基準満たしている場合入学許可する現実には、「15歳以上、かつ入試問題一定上の点を取ること」というように、年齢主義と課程主義併用する例も考えられる(なお、入学決定基準の意味では「年数主義」の用語は使われない)。 前述した進級基準入学基準の意味以外に、義務教育開始時期終了時期を決める際の基準としても、年齢主義と課程主義という用語が使われる年齢主義義務教育制度では、義務教育終了年齢時点でどの学校のどの学年所属していても、義務教育期間が終了する例え就学猶予をしたり、学齢期飛び級原級留置をしたりしても、義務教育終了年齢変動しない課程主義義務教育制度では、定められ課程修了していなければ何歳になって義務教育期間が継続する日本など多くの国の義務教育制度では年齢主義取っている。多く地域では、国家近代化ともなって義務教育終了基準課程主義での運用から年齢主義での運用移り変わってきている。なお、この意味での年齢主義と課程主義は、進級基準における年齢主義と課程主義とは関係がない。たとえば進級基準について課程主義取っていることで有名なフランスでも、義務教育終了基準年齢主義であるし、進級制度がどちらの主義であるのかと、義務教育制度がどちらの主義であるのかは、特に関連性がないといえる。この意味用法については、「義務教育」を参照

※この「基本解説」の解説は、「年齢主義と課程主義」の解説の一部です。
「基本解説」を含む「年齢主義と課程主義」の記事については、「年齢主義と課程主義」の概要を参照ください。

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