基本構造・特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/29 14:10 UTC 版)
基礎的な構造としては、AKS-74Uの機関部の構成を変更し大口径化、更にトリガー/グリップをマガジンの位置より前方へ移動させ、肩の当たる部分にはバットプレートを取り付けて機関部兼バットストックとした、ブルパップ方式の形態を取っている。 ブルパップ方式を採用したことでAKS-74U以上の短縮化を実現したが、機関部は従来のAKシリーズそのものであり、排莢方向は右側のみで左利き射手に合わせた改造は施せないため、事実上の右利き射手専用銃器と化してしまっている。そのため、もし左利き射手がOTs-14を扱う場合には右手で使用する訓練が必須となってしまうため、様々な国の用兵方針には適しにくく、場合によっては致命的欠陥とも取られかねないブルパップ方式特有の大きな問題を残してしまっている。 作動機構はAKシリーズのそれを踏襲したロングストロークピストン/回転ボルト閉鎖方式であり、劣悪な環境下に対する耐久性・信頼性は極めて高い。 基礎のAKS-74U以上に設計が簡略化され、容易な分解が可能である。そのため各種パーツを組み替えることで様々な状況に対応可能で、なおかつOTs-14を構成する各種パーツはAKS-74Uのそれと75%の互換性を持ち、それぞれ故障した際の予備交換パーツとしても流用可能である。 扱える口径・弾薬はAK-47の7.62×39mmに加え、その弾頭を9mmまでネックアップすることにより重量増加による銃口初速の亜音速化で減音効果を高めつつ、大口径化によるストッピングパワーの増大で殺傷力を補った、テシニートチェマッシ社開発の隠密作戦専用の特殊口径9×39mmも採用された。銃身は基礎のAKS-74Uの210mmより30mmほど延長され、240mmとなっている。 7.62×39mmでは30発マガジンを、9×39mmでは20発のマガジンを装備する。なお、当初はこれらに加えてAK-74の口径5.45×39mmや西側標準の口径5.56mm NATOを扱える計画もあったが、設計段階で却下されている。 キャリングハンドルはFA-MASのようにアイアンサイト(金属照準器)を兼ねた品ではあるものの、接眼距離を長く取らなければ正確な精度を得られないアイアンサイトと全長の短いブルパップ方式との相性は悪いため、通常はキャリングハンドル上部に存在するサイトベースに光学式照準器(レッドドットサイトやテレスコピックサイト、暗視スコープなど)を装着、標準の照準器とすることを推奨され、アイアンサイト自体は殆ど予備用サイトとして扱われる。 現行型の基礎モデルOTs-14-4Aのトリガーは、ユーリ・レーベジェフにより新規開発された突撃銃とGP-25グレネードランチャーの双方を一つにまとめた独自の物である。これはグリップ側にセレクタースイッチが存在し、銃とランチャーの双方の射撃を切り替えられる特殊なハイブリッド・システムだが、それ以外のモデルではランチャー一体型グリップ/トリガーごと交換され、通常のAKと変わらないトリガー機構となる。
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