基本構造と命名法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/28 05:34 UTC 版)
P2Xをコードする遺伝子には7種類が知られており、P2X1からP2X7と呼ばれている。 サブタイプHUGO(英語版)遺伝子名遺伝子座P2X1(英語版) P2RX1 17p13.3 P2X2(英語版) P2RX2 12q24.33 P2X3(英語版) P2RX3 11q12 P2X4(英語版) P2RX4 12q24.32 P2X5(英語版) P2RX5 17p13.3 P2X6(英語版) P2RX6 22p11.21 P2X7(英語版) P2RX7 12q24 サブユニットのトポロジーは全て共通しており、細胞膜を貫通する部位を2つ有し、大きな細胞外ループで繋がっており、C末端とN末端は細胞内にある(図1)。N末端側にはプロテインキナーゼCのコンセンサス部位(英語版)(キナーゼでリン酸化される部位)を含んでおり、P2Xサブユニットのリン酸化が受容体の機能の本質である可能性を示唆している。加えて、C末端側は変化に富んでおり、それぞれがサブユニット固有の機能の元となっている可能性が示される。 一般的に言うと、多くのサブユニットはホモマー(英語版)またはヘテロマー(英語版)として多量体を形成し、受容体となっており、受容体は構成されるサブユニットに基づいて命名される。すなわち、P2X1のみで構成されるホモマー受容体はP2X1受容体と、P2X2とP2X3から成るヘテロマー受容体はP2X2/3と呼ばれる。一般に、P2X6サブユニットはモノマー受容体を構成しても機能せず、P2X7サブユニットはヘテロマーでは機能しないと考えられている。 初期の分子生物学やタンパク質の機能的研究では、3本のペプチドサブユニットが会合して中央にイオン透過チャネル孔が形成されたので、機能を持つP2X受容体タンパク質が三量体であることを示す強い根拠であると考えられた。このことはゼブラフィッシュのP2X4受容体の三次元構造をX線結晶構造解析した結果からも裏付けられた(図2)。これらの知見は、各サブユニットの第2膜貫通ドメインがイオン透過孔を形作り、チャネルの開閉(英語版)を司っていることを示している。 P2X受容体の構造と活性の相関は多くの研究の主題となり、その結果、ATP結合、イオン透過性、孔拡大、感受性低下を担う部位が特定された。
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