こくさいじんこうかいはつ‐かいぎ〔‐クワイギ〕【国際人口開発会議】
国際人口開発会議
1994年、179カ国の代表が出席してエジプトのカイロで開催された国際会議。、リプロダクティブヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康および権利)の推進が、今後の人口政策の大きな柱となるべきことが合意された。このため、人口政策の焦点がそれまでの国レベル(マクロ)から個人レベル(ミクロ)、中でも特に女性に大きくシフトした。また、人口問題と開発問題が密接に関連し、相互に影響しあうという考え方が国際的な共通認識となった。これを受けて、国連の経済社会理事会の人口委員会も、人口開発委員会と名称を改めた。20年間の「行動計画」を採択し、現在各国はこの行動計画に沿って人口問題対策を進めている。開催地の名をとって、「カイロ会議」とも呼ばれる。会議の具体的な目標の焦点は、「普遍的な教育の提供」、「乳幼児及び妊産婦死亡率の削減」、「2015年までに、家族計画、介助者のもとでの出産、HIV/エイズを含めた性行為感染症の予防を含めたリプロダクティブ・ヘルスケアへの普遍的アクセスの確立」である。
(池上清子)
国際人口開発会議(ICPD)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 06:52 UTC 版)
「国際連合人口基金」の記事における「国際人口開発会議(ICPD)」の解説
1994 年の国際人口開発会議(カイロ会議)で、人口問題に関する各国の合意に基づいて「カイロ行動計画」が採択された。その二十五年後、「残された課題」を達成することを目的として、2019 年 11 月 12~14 日にナイロビ・サミット(ICPD25)が開催された。現在では特に、1994 年にカイロで開催された国際人口開発会議(ICPD: International Conference on Population and Development)で採択された「行動計画」、および 1999 年に国連特別総会(ICPD+5) において採択された「『行動計画』の更なる実施に向けた主な行動」に基づき、数値による人口目標の達成にのみ力点をおくのではなく、むしろ女性の教育機会の拡充、保健医療へのアクセス増大、さらには就労機会の拡大を通した女性のエンパワーメント促進に重点を置いている。さらに、 細分化した主要活動分野としては、特に下記の 3 分野を掲げている。 家族計画およびリプロダクティブ・ヘルス:家族計画、セーフ・マザーフッド(Safe Motherhood)、不妊予防およびカウンセリング、エイズを含む性行為感染症の防止、危険な中絶に対する対策を意味する。 人口および開発戦略:UNFPA が開発途上国自ら立案する人口政策に対して、データ収集、分析、および調査の 側面から支援する。 アドボカシー:上記 ICPD、ICPD+5 における目標達成のための実質的な活動主体として、各種活動を展開する。具体的にはリプロダクティブ・ヘルスにかかる権利の獲得、女性の地位向上、寿 命伸長、乳幼児および妊産婦死亡率の低下、女性の教育機会の増大、人口および開発から派生する各種問題への抜本的な対策としての啓蒙活動等から成る。
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