回憶録とは? わかりやすく解説

回想録

(回憶録 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/01 15:45 UTC 版)

回想録(かいそうろく)は、記録あるいは文学作品の一形式で、ある事件、事象や時代に関する自らの経験を記したものである。また口述筆記させたり、他人の聞き書きによる著作もある。日本新聞の多くは、記者による著名人の聞き書き(ロング・インタビュー)式回想の枠を設けている。回顧録(かいころく)又は回憶録(かいおくろく)とも呼ばれる。

ヘンリー・デイヴィッド・ソローの回想録「ウォールデン 森の生活」(1854年)の表紙

自伝と重なる部分も多いが、自伝が書かれた時点以前の人生全体について、しばしば個人生活・内面生活に重点を置いて記すのに対し、回想録は、より狭い時間範囲を対象とし、(特に著名人では)社会との関係と、それに対しての自らの記憶や感情・反応などに重点を置いて記すという違いがある。ただしその時代を象徴するような人物の場合は、自伝と回想録との区別定義は曖昧となる。

政治家軍人、社会的指導者など歴史的に重要といわれる人々、また彼らに直接関係した人々が書いた著作は、場合によっては史料としても価値がある。また、歴史的には無名といってよい人物でも、郷土史・業界史・当時の風俗の証言などの記録としては有益であることも多い。平均的な人物の自伝や回想録を一定の問題意識で多数分析して「当時の平均的な人物はかくかくの意識を持っており云々」という研究手法も多く行われている。

英語Memoir(フランス語「記憶」から、その元はラテン語)の語源からわかるように、古代ギリシャ・ローマでは「覚え書き」的な意味があり、必ずしも公表を目的とするものではなかった。古代ローマ帝国時代の弁論家リバニウスは、人生の回顧録(自伝)で知られるが、これも公にするためではなく、自身の弁論の一環としてであった。

本来はノンフィクション的作品であるが、自伝と同様、主観性が排除されているとは限らない。また意識的・無意識的な自己弁護の可能性も高い。中には文学作品とする目的で創作を交えたものもあり、18世紀以降の作品に多い。日記をもとにして書かれたものも多いが、日記そのものが公表されて回想録同様に注目される例もあり(『アンネの日記』など)、史料としての価値はこちらの方が高い(回想録は後日の編集・執筆になるので、記憶の風化や変化が存在することがある。一例に、20世紀後半以降の時点で1940年代の回想を書く場合に、その当時すでに無差別爆撃人種差別が絶対悪と捉え書くなど、執筆時期の感覚が混入することもある)。

今日では、歴史上特に重要とは言えない一般人による自分史的な作品や、エッセー風の手記が、現代史研究で注目される事例もあり、他ジャンルとの区別はさらに曖昧になっている。

著名作

自伝も含む

関連項目

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回憶録

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佐藤太郎戦艦武蔵』(河出書房新社1975年 竣工-沈没まで武蔵勤務細谷四郎戦艦武蔵戦闘航海記』(八重岳書房1988年ISBN 4896461142「武蔵第二艦橋勤務レイテ沖海戦では副長信号兵、先任信号下士官戦友会武蔵会発起人有馬馨帝国海軍伝統教育 付・比島作戦思い出』(五曜書房2001年ISBN 4795253994戦艦武蔵初代艦長南西方面艦隊参謀長有馬馨遺稿渡辺清戦艦武蔵のさいご』(童心社フォア文庫2000年ISBN 4494026379『戦艦武蔵最期児童向け版本。 塚田義明『戦艦武蔵最後 海軍特別年少兵見た太平洋海戦』(光人社NF文庫2001年ISBN 476982307X 渡辺清戦艦武蔵最期』(朝日新聞社2003年ISBN 4925219693

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