ソ連スパイ説に対する慎重な意見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 12:56 UTC 版)
「張治中」の記事における「ソ連スパイ説に対する慎重な意見」の解説
チアンとハイデイの本についての賛否がある中で張治中がソ連のスパイであるとする主張につき矢吹晋は、ジョナサン・スペンスなどの論証により「成り立たない」と批判している。張治中がソ連大使館と密接な連絡を取ったとする部分や大山中尉殺害事件において独断で事件を仕組んだとする部分には直接的な根拠がなく推論であり、ソ連軍パイロットが日本の航空機を1000機撃墜したとのことも元とした資料を批判することなく使用したため他から報告している内容とかみ合わないものであり、さらに『マオ』自体の筋立てが粛清と恐怖、陰謀と「スパイ」だけで説明しているとの言及もなされている。また、現在の中国・台湾では彼らの書籍は発行されておらず、その学界においても、チアンらの説を採用する例は、ほとんど見当たらない。『張治中回憶録』には『マオ』が主張するような、実は自分は共産党のスパイであり、スターリンの指示に基づいて「第二次上海事変」を引き起こした、などという記述は、どこにも見当らない。
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