回折か、干渉か
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 03:27 UTC 版)
リチャード・ファインマンは『ファインマン物理学』において、波の干渉と回折はどちらも重ね合わせから生じるものであって、本質的な違いはないと述べた。少数の波源からの波の重ね合わせを論じるときは慣習的に「干渉」が用いられ、波源が多数であれば「回折」と呼ばれがちであるに過ぎない。この論を進めれば、干渉と回折は同一の効果の両極だといえる。はっきり区別できる少数のコヒーレントな波源の重ね合わせは干渉と呼ばれ、一つの波面を無数のコヒーレントな波源の重ね合わせとして表すとき、その効果は回折と呼ばれる。 一方で、干渉と回折という概念が不分明なのは波面の分割と振幅の分割の区別が意識されていないためだ、という主張も存在する。ヤングの二重スリット実験やフラウンホーファー回折のように、一つの波の波面を分割して作った複数のコヒーレントな波源を干渉させる場合、それは回折に近い。これに対し、マイケルソン干渉計のように振幅を分割して作ったコヒーレントな波源を干渉させる場合、回折と見なされることはまれである。
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