ガリア戦記とは? わかりやすく解説

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ガリアせんき【ガリア戦記】


ガリア戦記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/08 15:56 UTC 版)

C. Iulii Caesaris quae extant, 1678

ガリア戦記』(ガリアせんき、ラテン語: Commentarii de Bello Gallico)は、共和政ローマ期の政治家・軍人のガイウス・ユリウス・カエサルが自らの手で書き記した、「ガリア戦争」の遠征記録である。続篇として、ルビコン渡河以降の「ローマ内戦」を記録した『内乱記』がある。

指揮官カエサル自らが書いた本書は、もともとは元老院への戦況報告の体裁を取っていたと考えられ、文中において自己に言及するときは「カエサル」もしくは三人称で書かれていることが特徴である。また文中の所々にガリア人ゲルマン人の風俗についての記述がある。

タイトル

中世の写本などから、カエサルが刊行した当初の題名は、『ガイウス・ユリウス・カエサルの業績に関する覚書』(C.Iulii Caesaris Commentarii Rerum Gestarum) であり、今日では『ガリア戦記』と分離されている続篇『内乱記』とひとまとめの書物であったと推測される。後に便宜上、『ガリア戦記』の方を「~ de Bello Gallico」、『内乱記』の方を「~ de Bello Civili」等と区別・分離するようになっていった。ルネサンス以降の刊行における題名は『カエサルのガリア戦争に関する覚書』(Caesaris Commentarii de Bello Gallico) であり、さらに省略され今日流布している題名になった。

構成

本書は全8巻からなり、紀元前58年から同51年にかけて8年間にわたるガリアゲルマニアブリタンニアへの遠征について記述している。なお第8巻のみ、カエサルでは無く、元同僚のアウルス・ヒルティウスが執筆している。

第1巻(紀元前58年
ヘルウェティイ族との戦闘、アリオウィストゥス率いるゲルマニア人との戦い
第2巻(紀元前57年
ガリア北東部(ベルガエ人たちの居住地)への遠征
第3巻(紀元前57年-56年)
大西洋岸諸部族との戦争(山岳部族、アクィタニー人、北方部族との各・戦い)
第4巻(紀元前55年
第一次ゲルマニア遠征、第一次ブリタンニア遠征
第5巻(紀元前54年
第二次ブリタンニア遠征、ガリア遠征初の大敗
第6巻(紀元前53年
第二次ゲルマニア遠征
第7巻(紀元前52年
ウェルキンゲトリクス率いるガリア人の大反攻、アレシアの戦い
第8巻(紀元前51年-50年)
戦後処理。本巻のみアウルス・ヒルティウスの著

日本語訳

※は電子書籍も刊

脚注・出典

  1. ^ 初刊は1942年で旧かな表記、1964年(第4刷)に改版
  2. ^ 初刊は角川文庫(1970年)、『カエサル文集』 筑摩書房(1981年)に『内乱記』と併録

参考文献

関連項目

外部リンク


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