取水塔の設計と施工
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:33 UTC 版)
「浜岡原子力発電所」の記事における「取水塔の設計と施工」の解説
なお、1号機の取水塔採用は日本の原子力発電所としても初の試みであり、当時は海外でも2,3の事例があるに過ぎなかった。 取水塔に求められる条件は次のように考えられた。 計画取水量を安定して取水できる 表層の温水を混入しないこと 海底の堆積土砂を出来るだけ吸い込まないこと 修理点検のため取水口を閉そくして内部の水を排除できること 取水口の水理特性が良好で渦などの発生が無いこと 波力、地震力、浮力等の外力に対して構造物として安定であること 位置は、地質調査結果から岩盤の被りが厚く岩質も良好で、破砕帯が少ないことを条件に決定された。また、取水塔の掘削沈下および海底トンネルの接続を圧気下の作業で行なおうとすれば、基礎底面の標高は水面下35mが限度であり、海底トンネルの下限となる。結局、最終案では最小被り厚さ15m、トンネル先端の中心標高-28m、トンネル延長660m(内海底部分600m)、取水塔据付位置は沖合い600m、最大水深10.75mとなった。取水塔は外径16m、内径12mの円筒で、上部は開放され灯標が立っている。海中には取水用のゲートが全周に渡り設けられており、海底の砂を吸い込まないよう下端は海底から3mの位置に、開口高さは1.6mあった。災害時の動水圧なども計算され、地震に対しては、重要度分類にてCクラス、静的水平震度はC0=0.2とされた。また、応答スペクトルによる計算も実施され、その結果はC0=0.33で検討したものと同等であった。船舶の衝突については付近に大型船航路はなく、過去の実績から500t程度の難破漁船が衝突しても大丈夫なように防舷材を取り付けされているが、「船舶そのものの衝突については、本取水塔を含めて、斯界全体の課題である」とも述べられている。
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