原告と被告の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 00:47 UTC 版)
「ベトナム戦争時期の韓国軍による民間人虐殺真相究明のための市民平和法廷」の記事における「原告と被告の主張」の解説
ベトナム市民平和法廷の原告は、フォンニィ・フォンニャットの虐殺の生存者グエン・ティ・タンとハミの虐殺の生存者グエン・ティ・タンであり、民弁所属の弁護士が訴訟代理人を務めた。 被告は、大韓民国政府に市民平和法廷準備委員会を通して、政府の公正な反論権を確保するために、裁判の資料をはじめとする出席要求書を送達したが、政府は何の反応も見せず、出席も参加もなかった。 代わりに、民弁所属の弁護士で構成された被告側訴訟代理人が大韓民国政府を弁護した。 民間人虐殺犯罪は、国際法と大韓民国の刑法の両方で刑事訴訟の理由となる。しかし、虐殺が起きてから50年が過ぎ、実在法理を計算する場合、消滅時効が問題になるということと、法廷の目的は、歴史的事実を究明するためのものであり、現場にいた軍人一人一人の責任を問いたいわけではないという理由で、虐殺の過程で傷害を受けた人と死亡した人の遺族が原告となる国家賠償訴訟の形となった。対象事件は、原告らが直接被害を受けたフォンニィ・フォンニャットの虐殺とハミの虐殺に限定した。二つの事件の被害者は2018年4月19日、国会で記者会見を開き、虐殺の加害者の謝罪を要求した。 裁判の過程で、被害者の原告たちは自分たちの被害状況を公開証言し、原告側の訴訟代理人は、事件当時、韓国軍の作戦記録に記載され、韓国軍の移動経路と被害地域が一致する点、写真や記録をはじめとする、その中に検出された証拠、大韓民国政府が当時すでに調査をしたが、その記録を公開していない状況などを聞き、大韓民国政府の責任を主張した。 一方、大韓民国政府を弁護する被告側訴訟代理人は、記録の曖昧さ、加害者を韓国軍にのみとした、加害者特定のすることはできない問題、民間人とゲリラ兵を簡単に区別することができないベトナム戦争当時の作戦の特殊性を主張し、個々の兵士の間違いや犯罪があったとしても、これを国が一括責任を負うことはできない旨の弁護をした。 この日公開された動画の証言で、匿名の参戦兵士は民間人射殺を直接目撃した事実を証言し、軍の一部が犯した過ちを認めなかったために参戦軍人全体が非難を受けることになることこそ軍の名誉を失墜させることであり、真の軍人であれば、善し悪しを明らかに選別するという趣旨の証言をした。
※この「原告と被告の主張」の解説は、「ベトナム戦争時期の韓国軍による民間人虐殺真相究明のための市民平和法廷」の解説の一部です。
「原告と被告の主張」を含む「ベトナム戦争時期の韓国軍による民間人虐殺真相究明のための市民平和法廷」の記事については、「ベトナム戦争時期の韓国軍による民間人虐殺真相究明のための市民平和法廷」の概要を参照ください。
- 原告と被告の主張のページへのリンク