創造的破壊とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 人文 > 概念 > 概念 > 創造的破壊の意味・解説 

創造的破壊(そうぞうてきはかい)

新しいものを創造するために古いものを壊すこと

経済分野において、停滞する産業代わり新し成長産業次々登場するダイナミズムのことを「創造的破壊」と呼んでいる。経済成長源泉考えられている。

もともとは、アメリカの経済学者シュンペーター使い始め言葉で、創造的破壊を通して労働力資本などが成長分野流れていく様子描いたものだ。生産性の低い産業分野から、生産性の高い産業分野への移行を図ることによって、常に一定の競争力維持し日本全体生産性向上させることが可能となる。

終身雇用年功序列といった従来日本型システムは、単純労働中心とする大量生産型の産業には有効で、高度経済成長支えてきた。ところが、産業構造変化し、しかもその変化絶え繰り返されるうになると、このような雇用システムでは対応できなくなる。実際早期退職者募集する企業が、このところ増えている。

政府は、6月26日閣議決定した「経済財政運営基本方針」で、ヒトカネなど経済資源速やかに成長分野流れていくようにすることが経済の構造改革だとして、真の景気回復目指している。ヒト流れ(すなわち失業再雇用)を前提にしたセーフティーネット安全網)を整備し新し産業社会対応するわけだ。

(2001.07.17更新


創造的破壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/21 00:21 UTC 版)

創造的破壊(そうぞうてきはかい、英語: Creative destruction)とはヨーゼフ・シュンペーターの著書『資本主義・社会主義・民主主義』の第7章で提唱された経済学用語の一つである[1]。経済発展というのは新たな効率的な方法が生み出されれば、それと同時に古い非効率的な方法は駆逐されていくという、その一連の新陳代謝を指す。

創造的破壊は資本主義における経済発展そのものであり、これが起こる背景は基本的には外部環境の変化ではなく、企業内部のイノベーションであるとした。そして持続的な経済発展のためには絶えず新たなイノベーションで創造的破壊を行うことが重要であるとシュンペーターは説いた。

学者の見解

カバレロ=ハマーの実証研究によれば、1972-1993年のアメリカの製造業のデータを用いて分析した結果、不況によって社会的に有用な企業の倒産がむしろ増加しているとしている[2]。また、不況によって新規参入は困難となり、老朽化した企業の存続を助けているとしている[2]

日本の開業率は1990年代を通して低下を続け、1996-1999年は戦後最低の水準に落ち込んでいる一方で、廃業率は上昇し続けている[3]。日本の失われた20年の間、日本の開業率と廃業率を比べると、廃業率が多いが開業率は少ない。起こったのは、大企業ばかりが残り、ベンチャー企業は資金力が無かったために真っ先に潰れてしまうことだった。さらに不況下では、若者の失業率が高くなり、イノベーションを生み出す若者が働けなくなっている。不況下ではイノベーションが生まれないというのが現実である[4]

創造的破壊という標語くらい誤用されているものも少ない。それは「理想に向けての創造」には「現実に対する破壊」が不可欠だという意味であって、破壊の中から自然に創造が生まれる、ということでは決してない。公共活動の「理想」が示される必要がある[5]

出典・脚注

[脚注の使い方]

注釈

出典

  1. ^ 小沼 2016.
  2. ^ a b 岩田規久男 2003, p. 233.
  3. ^ 岩田規久男 2003, p. 234.
  4. ^ 田中秀臣・上念司 『震災恐慌!〜経済無策で恐慌がくる!』 宝島社、2011年、79頁。
  5. ^ 西部邁「流言流行への一撃㉕ 「先行き不透明」を悪化させる小泉改革」『VERDAD』2001年8月号、ベストブック、 49頁。

参考文献

関連文献

関連項目

外部リンク




創造的破壊と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「創造的破壊」の関連用語

創造的破壊のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



創造的破壊のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
時事用語のABC時事用語のABC
Copyright©2025 時事用語のABC All Rights Reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの創造的破壊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS