創造的破壊(そうぞうてきはかい)
経済の分野において、停滞する産業に代わり新しい成長産業が次々に登場するダイナミズムのことを「創造的破壊」と呼んでいる。経済成長の源泉と考えられている。
もともとは、アメリカの経済学者・シュンペーターが使い始めた言葉で、創造的破壊を通して労働力や資本などが成長分野へ流れていく様子を描いたものだ。生産性の低い産業分野から、生産性の高い産業分野への移行を図ることによって、常に一定の競争力を維持し、日本全体の生産性を向上させることが可能となる。
終身雇用や年功序列といった従来の日本型システムは、単純労働を中心とする大量生産型の産業には有効で、高度経済成長を支えてきた。ところが、産業構造が変化し、しかもその変化が絶えず繰り返されるようになると、このような雇用システムでは対応できなくなる。実際、早期退職者を募集する企業が、このところ増えている。
政府は、6月26日に閣議決定した「経済財政運営の基本方針」で、ヒトやカネなど経済資源が速やかに成長分野へ流れていくようにすることが経済の構造改革だとして、真の景気回復を目指している。ヒトの流れ(すなわち失業と再雇用)を前提にしたセーフティーネット(安全網)を整備し、新しい産業社会に対応するわけだ。
(2001.07.17更新)
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