前奏曲 ロ短調とは? わかりやすく解説

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バッハ:前奏曲 ロ短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:前奏曲 ロ短調Praeludium h-Moll BWV 923

作品解説

2007年10月 執筆者: 朝山 奈津子

 アルペジオの走句の連なりのみから構成される小品創作においては初期位置付けられバッハロ短調扱った最初期作品として注目に値する。《アルビノーニ主題によるフーガ》BWV951に添えられ手稿譜が複数ある。この取り合わせバッハ自身よるものではないが、調を同じくし、音楽雰囲気がよく合うことから、効果的納得のいくのである。(現代でもBWV923と951を1曲に組み合わせた出版譜が広く使われている。)
 目を惹くのは、後半二分音符和音連続である。おそらく未完成スケッチだろう。バッハはこうした略記をする場合かならず「解法」を示した。第8-9小節それぞれ後半示され右手のフィギュレーションは、第6-10小節略記の「解法」とみてもよいかも知れない。(「解法」の例は《半音階的幻想曲》BWV903/1にも見られるまた、幻想曲》BWV944/1も二分音符和音のみからなる作品で、おそらく未完思われる。)そもそもこうした部分小節の上半分越え長さを持つのは、あまりにバランスが悪い。加えて和声連結はとくに終結に向かう部分であまりうまくいていないようにみえるいずれにせよこの種の略記には奏者自由な想像力音楽を補うことが求められるだろう。なお、後半部分を補ったBWV923a なる異稿存在するが、これはバッハに近いところにいた誰か改作とみられる
 いっぽう前半仕上がり即興的ありながら緻密に作りこまれており、見事というほかない。上行と下行十六分音符三十二分音符使い分け音域テンポ自在に操る。中間では動機左右の手対等に与えて展開し八分音符刻みに耳が馴れたところで再び鍵盤の幅いっぱいに走句を散りばめ、拍節世界から飛翔する。


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