制作に携わった芸術家とは? わかりやすく解説

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制作に携わった芸術家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/06 19:45 UTC 版)

トリノ=ミラノ時祷書」の記事における「制作に携わった芸術家」の解説

フランス人美術史家ポール・デュリューは、焼失する2年前の1902年に、写真掲載したトリノ時祷書』のモノグラフ出版した。デュリューは、トリノミラノ時祷書が同じ書物から分割されたものであることに気がついた最初の人物で、描かれているミニアチュールファン・エイク兄弟関連付け最初の人物でもある。美術史家ジョルジュ・ユラン・ド・ルーも1911年に『ミラノ時祷書に関する著作発表しており、このなかでミニアチュール描いた画家年代順に「画家 A」から「画家 K」までに分類した失われたトリノ時祷書』の作者には一部異論出ているものの、このユラン・ド・ルーが行った画家分類は、現在でもほぼ定説となっている。しかしながら、「画家 A」から「画家 K」が、実際にどの画家を指すのかについては大きく意見分かれており、とくに「画家 J」のミニアチュールについては、一人ではなく複数画家作品ではないかとも言われている。時祷書分割される以前の「画家 A」から「画家 E」まではフランス画家分割され以降の「画家 G」から「画家 K」はネーデルラント画家とされ、「画家 F」については研究者によって分類分かれている 。 『トリノ=ミラノ時祷書』のなかでは、「画家 G」が描いたミニアチュールがもっと優れた作品と見なされている。ユラン・ド・ルーは「画家 G」のミニアチュールについて、「書物装飾としては、それまで見られないほどの素晴らし作品で、美術史上の見地からして当時最高の芸術品である。一目見ただけで、現代絵画にまで及ぶ重要性理解できる。・・・古より、絵画空間と光の表現追求し続けてきたのである」としている。ユラン・ド・ルーは「画家 G」を、当時多く美術史家同様に、『ヘントの祭壇画』の主制作者とされていたフーベルト・ファン・エイクだと考えており、「画家 G」と比較する抑制的表現だが作風似ている画家 H」は、フーベルトの弟ヤン・ファン・エイクだと考えていた。その後美術史家見解変遷し、現在では「画家 G」も『ヘントの祭壇画』の主制作者ヤン・ファン・エイクとされることが多くなっており、マックス・ヤーコプ・フリートレンダー (en:Max Jakob Friedländer)、アン・ヴァン・ビューレン、アルベール・シャトレ (en:Albert Châtelet) といった美術史家たちもこの説を支持している。しかしながら現代美術史家なかには、「画家 G」の作風ファン・エイク兄弟よりも革新性見られる箇所があるとして、「画家 G」がこの二人近しい芸術家だった可能性はあるが、ファン・エイク兄弟ではないという説をとるものもいる。現在では「画家 G」が手がけたミニアチュールは、様々な観点から1417年から1430年代終わり描かれたと考えられている。 「画家 I」から「画家 K」の作品は、どれもファン・エイク風の作風描かれている。これは、おそらく「画家 G」の下書きをもとにして他の画家描いたためではないか考えられており、このような絵画制作当時ヤン・ファン・エイク工房でよく行われていた手法だった。フーベルト・ファン・エイク1426年に、ヤン・ファン・エイク1441年死去しているが、その後も「画家 I」から「画家 K」によるミニアチュール制作続けられている。また、画家同定作風比較同じくそれぞれの作品こめられた意味や象徴研究対象となっている。1430年代以降トリノ=ミラノ時祷書』がブルッヘ存在していたことはほぼ確実視されており、当時ブルッヘ制作され装飾写本絵画作品との比較解析によって、この研究進められている。画家同定については非常に多くの説があり、名前が伝わっていないために特定の作品にちなん呼ばれる画家とされることが多い。「画家 K」は『トリノ=ミラノ時祷書制作最後期である1450年ごろにミニアチュール描いた画家で、もっとも平凡な画家だと見なされている。著名な画家工房関係者ではないと考えられており、「ランガタク時祷書画家」(en:Master of the Llangattock Hours) と呼ばれている画家同一人物、あるいは近親者とされることが多い。

※この「制作に携わった芸術家」の解説は、「トリノ=ミラノ時祷書」の解説の一部です。
「制作に携わった芸術家」を含む「トリノ=ミラノ時祷書」の記事については、「トリノ=ミラノ時祷書」の概要を参照ください。

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