判決事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 23:37 UTC 版)
以下、マスメディアにおいて実際に報道された国内の判決事例を挙げる。なお、枕営業の立証は非常に困難であるものの、金銭の授受や利益誘導による賄賂罪や恐喝罪に該当した場合、または売春防止法や児童福祉法に抵触するような不正行為が認められた場合には逮捕や有罪の判決理由となることが多い。 2005年12月、東京の芸能事務所社長が、所属する女性タレントに「CDを出すには金が必要なので稼げ」と命じ、スポンサーやプロダクション社長と自称する男性達に売春を強要したとされた。東京地方裁判所の裁判長は「社長らは芸能界では当たり前としているが、一般社会では通用しない感覚で売春を強要しており、不法行為に当たる」として、約320万円の賠償支払を命じている。 2010年4月、東京の芸能事務所社長が、イベントで知り合った未成年女性に「スターになりたいなら夢に向かう階段がある」などと勧誘し、猥褻な行為をしたとされた。この未成年女性が給料不払などで神奈川県警察に相談して発覚、社長は児童福祉法違反で逮捕され、事実を認めたことで有罪となっている。 2014年4月、東京都中央区銀座のクラブママが、妻の居る会社社長の男性に「枕営業」として、7年間繰り返し性交渉したとして、男性の妻が不倫で精神的苦痛を受けたとして、クラブママの女性に対して慰謝料400万円を請求した民事訴訟で、東京地方裁判所の始関正光裁判長は「売春と同様、商売として性交渉をしたに過ぎず、結婚生活の平和を害さない」と判断し、妻の賠償請求を退ける判決を出していた事が、2015年(平成27年)5月28日に朝日新聞の報道で判明した。判決では、枕営業は「優良顧客を確保するために要求に応じて性交渉をする営業活動」とし「枕営業をする者が少なからずいることは公知の事実だ」と指摘し「客が店に通って代金を支払う中から、間接的に枕営業の対価が支払われている」として、枕営業と売春との違いは「対価の支払いが、直接か間接かの違いに過ぎない」と、売春婦が対価を得て妻のある客と性交渉しても、客の求めに商売として応じたにすぎないと指摘。「何ら結婚生活の平和を害するものでなく、妻が不快に感じても不法行為にはならない」とした。妻は東京高等裁判所に控訴せず、地裁判決がそのまま確定判決となった。
※この「判決事例」の解説は、「枕営業」の解説の一部です。
「判決事例」を含む「枕営業」の記事については、「枕営業」の概要を参照ください。
- 判決事例のページへのリンク