分類と判別
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 15:48 UTC 版)
ドングリからその樹種を判別することは可能だが難しく、木自体を見る方がはるかにやさしい。ただし、属の見分けは比較的やさしい。以下は日本に自生するものの見分け方である。 「ブナ科#下位分類」も参照 コナラ属コナラ亜属 - 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は鱗片状。ナラの仲間(落葉樹)アベマキ Quercus variabilis カシワ Quercus dentata クヌギ Quercus acutissima コナラ Quercus serrata ナラガシワ Quercus aliena ミズナラ Quercus crispula カシの仲間(常緑樹)ウバメガシ Quercus phillyreoides コナラ属アカガシ亜属 - 果実の基部は湾入せず、殻斗は果実の基部を覆う。殻斗は輪層状。カシの仲間(常緑樹) - ウバメガシとシリブカガシはアカガシ亜属ではない。アカガシ Quercus acuta アラカシ Quercus glauca イチイガシ Quercus gilva ウラジロガシ Quercus salicina オキナワウラジロガシ Quercus miyagii - 日本最大のドングリをつける。 シラカシ Quercus myrsinifolia ツクバネガシ Quercus sessilifolia ハナガガシ Quercus hondae マテバシイ属(常緑樹) - 果実の基部が湾入し、殻斗は果実の基部を覆う。2、3の殻斗が基部で癒合している場合がある。シリブカガシ Lithocarpus glaber マテバシイ Lithocarpus edulis クリ属(落葉樹) - 果実は稜が2つあり、殻斗が全体を覆う。食用に極めて適しており、通常ドングリとは呼ばれないが、ブナ科であり広義にはドングリに含まれる。クリ(ニホングリ) Castanea crenata シイ属(クリガシ属、常緑樹) - 果実は稜がなく、球状ー円柱状で、殻斗が全体を覆う。スダジイ Castanopsis sieboldii ツブラジイ Castanopsis cuspidata ブナ属(落葉樹) - 果実は稜が3つあり、三角錐状、殻斗が全体を覆う。普通はドングリとは呼ばれない。イヌブナ Fagus japonica ブナ Fagus crenata アベマキ クヌギ コナラ ナラガシワ ミズナラ ウバメガシ アラカシ イチイガシ シラカシ シリブカガシ マテバシイ クリ スダジイ ブナ 日本国外に分布するものでは多様な形状を示す。マテバシイ属のドングリには殻斗が全体を覆うものが多く存在する。シイ属では別名のクリガシ属が示唆する通り、クリ属のように複数の果実がイガに覆われ、クリそのものの形をしたものも多い。北米には常緑樹でクリ属によく似た殻斗をつけるトゲガシ属(英語版)(Chrysolepis。かつてはシイ属に含められていた)が2種が存在する。逆に、北米産のチンカピン(Castanea pumila)はクリ属ではあるが、実には平たい面がなく、丸い。 ヨーロッパナラ(コナラ属) Quercus macrolepis(コナラ属) Chrysolepis chrysophylla(トゲガシ属) チンカピン(クリ属) ブナ科ではないが、似た外見のものとして、ヘーゼルナッツ等のハシバミ類(カバノキ科)の堅果や、トチノキ(トチノキ科またはムクロジ科)の種子(「とち」もしくは「とちのみ」と呼ばれる)がある。 セイヨウハシバミ(カバノキ科)の堅果 トチノキ(ムクロジ科)の種子
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